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#ぴったり200文字で小説書いてみようチャレンジ

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全273作品・

【逃避行】




フラペチーノ片手にアスファルトを歩く。セーラー服のスカーフが風に揺れた。



塀の上でうたた寝する猫。



少し逸れた道の、小川の音。




白い雲がのったり流れている。



木漏れ日の匂い。




バス停の少し掠れた文字。



ミスバニーのキーホルダーが揺れる。いつもは重い学生鞄も、今日は何にも入ってない。






明日の予定も、あの人への返事も、今だけは少し遠くにいた。






地面を蹴った。ふわりと舞い上がるスカート。


















身体が、浮いたみたいに軽かった。

無月・2023-05-14
ぴったり200文字で小説書いてみようチャレンジ
小説
雲隠の月
学校
テスト勉強が嫌だという気持ちです、はい


『口無し』



梔子が詰め込まれた箱はきっとそこだけ、切り取った天国だった。たった一歩が、濁世には痛い。人生を無理やり塗り潰したような不自然な白は、清廉すぎて腹が立つ。死人に口なし。君は何も囀らない。僕に朝は来ないね。死人に梔子。エスコートなら必要ない。どうか香りがする方へ。君に口なし。口付けても変わらない。語らって明かした夜を数えて。君に梔子。笑ってしまうほどに花が似合わない。君は、死にたがりでもなかったくせに

舞雪・2022-07-26
ぴったり200文字で小説書いてみようチャレンジ
小説
試験がやばい私より愛をこめて

生き生きとしたその笑顔に、その無邪気な仕草ひとつひとつに心臓が跳ねたとしても、彼には好きな人がいる。

目の前に突きつけられた、あまりにも甘くて、やわらかな諦め。溶けたマシュマロが舌に纏わりつく。それでいて、彼の心の中に、まだ私の踏み込む場所があったらいいのになんて淡い期待が粘り強く絡む。誰も知らない私の想いは、まるで夏の暑さのせいだと言うように、湿った空気に滲んで、蒸発していく。蝉がやけに煩かった。

ふぇるまーた.・2022-08-18
ぴったり200文字で小説書いてみようチャレンジ
BBQ
謎のふぇるまーたworld
片想い
失恋
五線譜と原稿用紙

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に273作品あります

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あなたの踵を追うことを、逃避行と名付けてみた。


喧騒に塗れた僕の青い世界、1マイル踏み外したら静かな街へ、知らない路地へ。

あなたは僕のマエストロ、あの音にも手が届くってあやうく錯覚するところだった。

積み重なった言葉に宿る温度も、溶けていくグラスの氷も、僕だけに向けられた視線も、思い出して縋りたくなるうちは、僕を一番憎む僕からは逃げられないのに。

いいんだ、僕の音は僕だけのもの。誰かのための人生は脆い。

ふぇるまーた.・2023-02-06
笑ってね
想い
ぴったり200文字で小説書いてみようチャレンジ
五線譜と原稿用紙

【逃避行】


雨が降っていた。

部屋の窓から外を覗く。窓越しでも分かる冷たさが空気を包んでいる。世界に私だけのような錯覚がする。

目を閉じた。水音だけが響いていた。


「お嬢様」


不意にかけられた声に振り向く。頬に熱がこもった。


「なあに」


「そんなところにいては、風邪をひいてしまいますよ」


心配そうな微笑みを浮かべ、両手をそっと広げられた。

何も言わず、腕の中に引き込まれる。









部屋中に温かさが広がる。










世界には私達しかいなかった。

無月・2022-11-23
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小説
テスト勉強してたはずなんだけどなぁ?おかしいな
反省はしてます。後悔はしてません。
雲隠の月

【僕を選んだ君と】




『人生の要というのは、何か分かる?』

「…いや」

廃れた駅の構内。君は一点を見つめる。

『生に…しがみつくことよ』

すとんと君は線路へ降りた。

白いワンピースが揺れる。

「じゃあ君は、人生の要を捨てたのかい?」

『えぇ。貴方と一緒になると決めた時には、もう既に』

少しだけ、苦しそうに君が笑う。

『それほどまでに、愛しているのよ』


君がホーム上の僕に手を伸ばす。









生と愛が僕らの間で歪に跳ねる。






















僕は、君の手を取らなかった。

琉・2022-08-28
僕を選んだ君と
雰囲気小説
ポエム
星巡り
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夜の駅には居座れる場所などなくて、マクドナルドは行列。スケボー集団には文句ひとつも言えないし、ここじゃ歌だって歌えない。

工事現場の側にはおでこを擦り合わせた高校生カップル、大人気ない私は何度も振り返って眺めてやる。キッツいな。安い恋愛。また知りもしない他人のことを馬鹿にした。

鬱チェックの高得点に苦笑する自分が更に嫌になるような日々。通学路の交差点に戻ってしまったら、やっぱり私がいちばん惨めだった。

夕日色。・2023-07-17
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―ひと想い。
創作
小説

やるしかない。俺にはお前しかいないと思っていたあの頃はこれで終いだ。煙草を吸うあいつの後ろに立ち、銃口を向けた。小刻みに震える右手を左手で無理矢理押さえつけた。泣いてた俺を何も言わず手を引いてくれたお前。苦しいことも辛いことも、楽しかった日々だって全部お前がいた。だがこれからの思い出はいらない。俺がやれば苦しまずに死ねるんだ。俺の手で、お前が引いてくれたこの手で、お前を殺る。

「じゃあな、兄弟」

氷輪・2023-09-28
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『遠い夢を見ないように』



眠れない。
未だ慣れない、自分のものとは違うシーツの匂い。音を立てないように気を付けながら右側に身体を向ければ、柔らかなオレンジの光の中、いっそ憎らしいほどに健やかな寝顔が浮かんでいる。


僕だって、僕等なら、何でも出来ると思っていたよ、ずっと。髪をそっと撫でてから、手に手を重ね、包み込んだ、貴女はまだ夢の中にいる。さよなら、未来は思い出のようで昨日のようだ。せめて、今夜だけでも微笑んでいてね。



おやすみ

夕日色。・2023-03-10
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小説
創作
―ひと想い。

うっすらと勘づいていた。隻眼。眼帯。黒いスーツに胸元を開けたワイシャツ。今までそういう人に会ってきたからわかる。きっと、私とは違う世界で生きているのだと。でもあの人は。あの人だけは違う。あなたはそこに居るべきじゃない。手を伸ばせば暗黒だ。誰も触れることが出来ない闇だ。居るべきじゃないなんて言えない。だからせめて隣にいてくれているときだけは、時間を忘れてしまえばいい。闇をかき消せる存在になれたなら。

氷輪・2023-09-28
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「背、伸びなかったね。」
「うん。」
私は精一杯の嫌味を言った。
ここで一つ勘違いしてほしくないのが、私の精一杯の嫌味が"こんなに可愛い訳がない"ということ。私の精一杯はあくまでも、その場で嫌味ということがバレないギリギリのラインという意味だ。嫌味はその場でバレてはいけない。別れた後、ふと思い出したときに「そう言えばさっき嫌味を言われたな…?」と思わせることこそが嫌味の極意だと私は思っている。

陽_ひぃ・2022-11-28
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【幕切れ】


好きだけで、一緒にいられるわけじゃない。

彼氏と一緒にいるあの子を見かけるとき、つくづく思う。

可愛いあの子。私だけが知っていたあの子。


あいつはどこまで知ってしまったんだろう。


あの子の笑顔を思い出す。
心に穴が空く音がした。



私だけの教室で、あの子の席に座る。
机に相合傘が書かれていた。



私の喜劇は幕切れ。エンドロールも流れてしまった。

続編は流れてこない。



あの子の机に口づけする。














「せめて君だけは、幸せでいて」

無月・2022-12-04
ぴったり200文字で小説書いてみようチャレンジ
小説
片思い
だからテスト期間に小説を書くなとあれほど
雲隠の月

【選択】



川の向こう側の、電車の窓の光を見た。




車体もレールも周りの空気も、闇に滲んで何も見えない。空に浮かんだような、淡く、鮮やかな光。






無意識に、私の手は伸びていた。










視界が闇に滲んだ。










目が覚める。私は電車の中にいる。



誰もいない車内。レールの規則的な音が、よく響いて耳に届く。





紙袋いっぱいに詰め込まれた林檎が、一つ床に落ちた。






小さな駅に停まる。ぽつりと立つ電灯。目が眩み、思わず手を伸ばした。



















視界が、闇に滲んだ。

無月・2023-05-03
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小説
雲隠の月
人生

「兄さんの場所が分かったぞ」返事をする暇もない。白杖をつき早足で兄のいる場所に向かう。急げ。足を止めるな。10年前に生き別れた兄。この街に来ていると知ってから5年。それでも全く会えず、もう死んでしまったのかと思った。この街に来てから辛いことが山ほどあった。目が見えなくなったのもこの街に来てからだ。でももう大丈夫。兄がそばにいてくれさえすれば、また生きられる。ここで足を止めては兄に会えない気がする。

氷輪・2023-10-02
ぴったり200文字で小説書いてみようチャレンジ

その人に会った瞬間、一瞬にして色づく世界。その一方で胸がぎゅっと痛いほど締め付けられる。目を見開くと前よりも穏やかに笑うあなたがいた。その眼差しが春の陽射しのようで、私のような屑になぜそんな穏やかな顔をするのと過去の私を殴りつけたくなる。と同時にそんなあなたの優しさに悲しくなる。「久しぶり」私たちはお互いの手を合わせる。数秒触れ合った手がまた離れていく。まるで自分の手に花びらが乗ったみたいだった。
『桜色の恋』

氷輪・2023-10-11
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桜の羽を纏う君

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