NOTE15 書くとココロが軽くなる はじめる

青海玻 瑠鯉の作品集


尊敬しあいたい。

官能的な時も過ごしたい。

そうやって、お互いに、

生き延び続けたい。

青海玻 瑠鯉・2019-07-20

『化けの皮』

人はヒトの振りをして、
その実は共食いをする動物なのだろう。
そういう行為をするときは、特に。
腹がへこむまで食べられている。
あばら骨の髄まで貪られている。
腿を鬱血するまで吸われている。
頸に型が付くまで噛まれている。

「化けの皮を剥がしたい」
「剥がしてどうするの?」
「全部自分のものにする」
「お好きなように召して」

青海玻 瑠鯉・2025-10-19 #青海玻瑠鯉 #青冰月鯉の詩 #詩 #NOTE15


「冬の海」
冷たい白波が、ずっと俺の裸足を撫でている。
踵が沈みこむ砂と時々引っ掛かる甘藻。

俺のことすべてを知らなくていいことがある。
お前は知りたがるから、俺はそうやっていなす。

真実の愛に目覚めなくても、
夢から目醒めなくてもいい。

ひたすら俺を見つめていて、
ただ微笑んでいてさえすれば、
「それで十分。」

青海玻 瑠鯉・2025-02-03 #青海玻瑠鯉 #青冰月鯉の詩 #詩 #NOTE15


「愛とか、恋とか」

人の美しさが僕の人生に陰を作るとは思わなかった。陽のあたるところへ行こう。夕日を見よう。
素敵な悲しみ、雪が降るかもしれない。
頬に流れる雫を掬う。
引き返せないのではなく、
引き返したくないのであって、
ずっとここにとどまっていたい。
誰も立ち入らない空間を、
愛とか、恋とかって表現したのは
誰だろうか。
このエアポケットに名前は
要らないから、
ただ二人きりにしてください。

青海玻 瑠鯉・2025-01-27 #青海玻瑠鯉 #青冰月鯉の詩 #詩 #NOTE15

「ガーネット」

柘榴は人の味がする、貴方はそういって柘榴を食べている。食べてみる?と聞かれて、1つだけいただいた。人の味を知らない私は、初めましての柘榴をゆっくり味わった。人の味は、さらさらしているらしい。

柘榴の宝石は、果肉のように詰まっている。
さらさらの動脈を流れる、血液の色が柘榴。

青海玻 瑠鯉・2025-01-15 #青海玻瑠鯉 #青冰月鯉の詩 #詩 #NOTE15

「極光」

麗しい貴方にだけ教えてあげる。あの秘密と嘘。離れられないだけだった。私のことは赦さないで。オーロラが見える北極か南極へ行きたい。そこは氷点下の楽園。声が凍っていく。透き通る世界の銀色と、夜空に翻るカーテン。太陽がもたらす自然界のバグを美しいと思う人々を赦すのは誰なのだろう。


私は、人類を愛さないと私を愛せない人間です。

青海玻 瑠鯉・2024-12-21 #青海玻瑠鯉 #青冰月鯉の詩 #詩 #NOTE15

「魔物と薔薇」

誰にも言わないで 秘かに咲いている花
おれが魔物ならば おまえは青い果実だ

開かれた花園には 無数の薔薇が戯れる
鬱金色の蛇が踊る 芦毛の馬が嘶く月夜

真暗闇の舞台袖で おれはおまえを呼ぶ
振り返らずに進め ソドムはじきに滅ぶ

羽ばたかぬ羽根は もいで棄てておくれ
生贄は持たずとも 湖に神は顕現さるる

青海玻 瑠鯉・2024-11-27 #青海玻瑠鯉 #青冰月鯉の詩 #詩 #象徴詩に挑戦


私の心臓を誰かがもぎ取ったとしても、私の心臓が動くのは、それは私のギヤであり、他人には臓器でしかないから。

私の詩を誰かに盗まれたとしても、私の詩が反響するのは、それは私のエンジンであり、他人には表現でしかないから。

私の眼を誰かに移されたとしても、私の眼が見つめられるのは、それは私のレンズであり、他人には映像でしかないから。

私の音を誰かに切られたとしても、私の音が聞こえるのは、それは私のメガホンであり、他人には音波でしかないから。

私のものを誰かが奪っても、失くしても、殺しても、私のものは他人にはモノだから、私のものは残り続ける。

青海玻 瑠鯉・2024-10-16 #青海玻瑠鯉 #青冰月鯉の詩 #詩 #宝物 #NOTE15

溺れていく 水の泡 日の光

波模様のヴェールを描く 渦

魔術師 君は 私の中に居る

熱さを忘れて 焔をみる 瞳

硫黄 水銀 塩 アマルガム

螺旋階段で待っている巻き毛

預言 神託 闇へ回帰する詩

一世紀飛び越えて 愛を捧ぐ

青海玻 瑠鯉・2024-09-29 #青海玻瑠鯉 #青冰月鯉の詩 #詩 #NOTE15 #溢れでる感情


『月夜』
あそこで輝く一等星よりも、月が輝きすぎて誰にも見つからないような場所がどこにもない。昼間の太陽よりも月明かりがすべてを照らしている。
君が月はうさぎを飼っている言う。月はうさぎの楽園なのかもしれない。あの島の楽園は、放たれたままのうさぎ。この月で暮らすうさぎは杵付き餅を食べるだろうか。
背中が開いてる黒いワンピースが風に煽られて、はためいた。波打つ真っ暗闇の海。叢雲の陰。僕の視界が闇色の迷彩模様に変わる。

ここには、誰もいない。私の閨は私だけのもの。

青海玻 瑠鯉・2024-08-19 #青海玻瑠鯉 #青冰月鯉の詩 #詩 #NOTE15


『社外秘』
誰にも言わない、誰にも言わない
他人の結婚とか、他人の離婚とか

言いたくないし、言いたくもない
自分の長所とか、自分の短所とか

当然のように用意されたES画面
自然と振る舞うための就活スーツ

窮屈すぎるパンプスを脱ぎたいし
余裕くらいは持たせて欲しいです



著者紹介
青海玻瑠鯉 SEIKAIHA Ruri
詩人 同志社女子大学卒
2024年2月月に第一詩集『青』、3月に第二詩集『朱(あけ)』をBCCKSより出版、発売中
大学在学中に平成26年度二松学舎大学漢詩コンクールにて優秀賞と佳作を受賞 資生堂WEBマガジン『花椿』 今月の詩 2018年「8月の詩」に「すいか、と、めろん」掲載
パイロットコーポレーション「かく、がすき!創るにエール!」に特集記事掲載
他掲載雑誌『月刊群雛』『カラタチ』など

お仕事のご依頼はruri.seikaiha.65535@gmail.com へよろしくお願いします。

青海玻 瑠鯉・2024-08-16 #青海玻瑠鯉 #青冰月鯉の詩 #詩 #NOTE15 #Poet


いつかは散る いつかは滅びる

それがヒトの 無常なる運命だ

いつかは解る いつかは出来る

それがヒトの 可能性と奇跡だ

不可逆の時を 過ごすだけでは

勿体ないから 生きてきたヒト

簡単に犠牲に なるのではない

ヒトは自らの 命を生きて返す

それがヒトの 義務であり勤め

それはヒトの 精一杯の恩返し

青海玻 瑠鯉・2024-06-30 #青海玻瑠鯉 #青冰月鯉の詩 #詩 #ブラック・ジャック #ドクター・キリコ



私の身体に巻きつく 美しいつる葡萄の葉

爪先から腹部を通り 胸元へ首へ腕へ掌へ

紫色のたわわに実り 艶々とした房の香り

醸成されたワインに 分けられしパンと魚

レンガ造りの洋館に ステンドグラスの光

私の過去から未来を ただ見守る舞台装置

聖書と讃美歌だけが 哀しみを連れ去った

嘘偽りのない清さで 愛して欲しかった私

青海玻 瑠鯉・2024-06-24 #青海玻瑠鯉 #青冰月鯉の詩 #詩 #母校

「忌日」

ゆっくり寝てくださいな

深い夢を見てくださいな

貴方の生き様と命は短く

もう誰の言葉も届かない

私はひたすら祈っている

安らぎが永く続くことを

誰かの後ろ姿を見守る影

それが貴方の生きた証だ

青海玻 瑠鯉・2024-06-03 #青海玻瑠鯉 #青冰月鯉の詩 #詩 #恩師


「オール・ニッポン/ジャパン・エア」

雲の切れ端。この天空を下へ下へ、今から着陸する。
当機は間もなく着陸態勢に入ります。
シートベルトは外さないでください。
雲中に入る。会うまで、会えるまで、気は抜けない。

ーー tower, ーー120, Approachingーー spot 00.
ーー 120, Continue approach, wind 210 at 7, You are no.ー, traffic 12 O'clock, 5 and half miles ahead boeing 000.
Continue approach, ーー120

ーー 120, Cleared to land, runway ーー.
Cleared to land, runway ーー, ーー120.

ーー120, Turn right A-0, Contact ーー ground 121.7.
A-0, Contact ーー ground 121.7, ーー 120.

すべての航空機よ、己が使命を果たそう。
すべての恋人や家族、皆様の幸いを運ぶ。

私の使命は、恋人と共に婚姻届けを出す約束をする事。
私は今日も、家族の元へ無事に帰る約束を果たすのだ。

青海玻 瑠鯉・2024-04-07 #青海玻瑠鯉 #青冰月鯉の詩 #詩 #NOTE15 #彼と彼女のソネット


『ラ・メール ラ・ヴァーグ』

波に向かって歩く。 私は、人間だ。

波に向かって歩く。 私は、希望だ。

人間だから、歩く。 二本足で歩く。

平等だから、歩む。 波へ向い歩く。

私の中のうねりよ。 波を飲み込め。

私の中で渦を巻け。 海を巻き込め。

淡水と海水の境界。 混じる汽水域。

大海と大空の境界。 混じる水平線。

今なら誰に成れる。 大人も子供も。

今から誰に生れる。 男にも女にも。

私は人間だ、女だ。 誰でもない私。

私は希望だ、海だ。 誰にも譲らぬ。

青海玻 瑠鯉・2024-04-07

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『書くとココロが軽くなる』

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NOTE15 by ほその夫妻