青海玻 瑠鯉・2022-06-16
詩
幸せとは
月影に潜んでいたきみのウサギは、雲の檻から出ていって、さっき山の稜線を越えていったよ。
ガス惑星みたいに渦巻きの雲が、真夜中の空を覆っている、ぼくたちを閉じ込めている。
きみが何時もの調子で何時もの時間に電話をかける。ぼくはその電話に今日はでないつもりだ。
知ってるんだよ。きみがぼくとは違う誰かといることも、ぼくでは不釣り合いなほど、きみが魅力的なことも。
ぼくの友達はきみをなじっていたけど、彼に言われる筋合いはないから、ぼくは彼と別れた。
ぼくのことをきみが幸せにできなくても良い。ただ、きみがぼく以外の誰かを不幸にすることだけは、許したくない。