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マンションポエムとは

広告コピーに「これはポエムだ」と感じてしまう仕組みを解説します。
最終更新日: 2025-11-18

マンションの広告には書かれているキャッチコピー。それらはどこかポエムのようです。
「マンションポエム」と名付けて、インターネットを通して、このコピーに面白さを見出す人が増えています。


ここでは、書き手が意図しないところで生まれるポエム性について見ていきます。

マンションポエムのはじまり

マンションポエムは、写真家・ライターの大山顕さんの発見です。


2013年、デイリーポータルZに掲載された記事で、大山さんはマンション広告のコピーに独特の詩のような空気が漂っていることを紹介しました。
この観察が共感を呼び、「マンションポエム」という言葉はネット文化として広がっていきました。

なぜマンション広告がポエムに見えるのか

マンションの広告コピーは、本来は販売促進のための文章です。
ですが、多くの広告には次のような特徴があります。


  • 都市や時間の抽象的なイメージ
  • 光・空・未来といった曖昧なモチーフ
  • 大きなフォント、青空や夜景の写真
  • 説明よりも情景を優先


これらが重なることで、広告としての実用的な文章でありながら、読み手にエモさを感じさせます。


書き手の意図とは関係なく、受け手がポエムとして感じてしまう。
マンションポエムは、ポエムが読み手によって生まれること(「ポエムとは何か」の記事で説明しています)を象徴する例でもあります。

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なぜマンションポエムは面白いのか

マンション広告は、書き手も読み手もポエムを書こう、読もうとは思っていません。


にもかかわらず、言葉と写真の組み合わせによってポエムに見えてしまう。
そのズレが、「マンションポエム」を「面白い」ものにしています。

ポエムとして見る面白さ

マンションポエムには、ポエムとして書かれていないものが、ポエムに見えることへの面白さがあります。
大山さんが「ポエムに見える」と指摘したことで、共感が広がっていったのは、その見た目に理由があったのです。

著者プロフィール
著者:ほその夫妻(ポエム投稿SNS運営)
2000万作品が投稿されるポエム投稿SNSを、夫婦で10年運営しています。
日々、たくさんのポエムに触れながら、
現代のポエム文化やSNSで生まれる表現の変化を研究し続けています。
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