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ポエムとは何か

言葉と読み手のあいだに生まれる、あいまいで自由な表現。ポエムの成り立ちや、詩との違いを整理します。
最終更新日: 2025-11-18

ポエムとは何でしょうか。
書籍で、SNSで、広告で。日常のなかで何気なく目にする表現なのに、その正体はどこかつかみにくいものです。


ポエムにはルールがないのに、多くの人がなんとなくポエムだと感じ取ります。
その感覚は、書き手の心と読み手の受け取り方が重なるところに生まれるのかもしれません。


ここでは、そんな曖昧で自由な「ポエム」という言葉を見つめ直していきます。

ポエムには決まった形がない

ポエムには、決まった形式がありません。
ふと胸に浮かんだ感情や、うまく言葉にならない思いを、そのまま書く。それでポエムになります。


長くても短くてもいい。整っていても、ばらばらでもいい。
だからこそ、ポエムの姿は様々です。

「ポエム」と「詩」の違い

ポエムと詩は、本来は同じ「詩(poem)」を指す言葉です。しかし現代の日本語では、ふたつは少し距離のある概念として扱われています。

詩とは

詩は文学表現の一つであり、言葉の響きやリズム、構造への意識が強い作品です。詩人・谷川俊太郎さんはこう語っています:


詩は「書くことがなくても」書ける。
言葉が世界のなかに漂っていて、それを拾うように書くものだ。


意味ではなく、音や色、イメージで読むもの。余白や多義性を含み、読み手の解釈の余地を大きく残すのが詩の特徴です。

ポエムとは

一方、SNSを中心に広がる「ポエム」は、より素朴で、個人の感情に寄り添う表現です。


  • テクニックや比喩にこだわらなくていい
  • 一行でも成立する
  • 直感的な共感が重視される


詩が「言葉そのものを探る表現」だとすれば、ポエムは「心の動きをそのまま言葉にした表現」。
詩とポエムの違いは、アートとスケッチの違いに似ています。

ポエムを決めるのは読み手

では、どこからがポエムなのでしょうか?
ポエムには形式がありません。だから、その文章がポエムかどうかは、言葉そのものではなく、その言葉との向き合い方で決まります。


書いた本人や読んだ人が「これはポエムだ」と思えばポエムです。


それくらいポエムは自由でひらかれた表現なのです。
特別な立場や技術に縛られず、誰でも書けて、誰でも受け取れるのです。

ポエムと呼ばれやすい文章の特徴

では、どのような文章がポエムとして読まれやすいのでしょうか?


  • 書き手の心情の吐露(特に恋愛・孤独・悩み)
  • 手書き風フォントや、柔らかいデザイン
  • 夕暮れや光、影、風景写真が添えられている


情緒に関する要素(エモさ)があると、読み手はポエムとして受け取りやすくなるようです。

ポエムとは言葉と読み手の関係性

ポエムとは、特定の内容や技法を指す言葉ではありません。
想いが言葉になり、誰かがポエムを感じる。


ポエムは、読み手の心に生まれる、言葉との関係性のことなのです。


いろいろな人が書いたポエムを眺めると、この自由さがよりよくわかります。
実際の投稿作品をのぞいてみてください。


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著者プロフィール
著者:ほその夫妻(ポエム投稿SNS運営)
2000万作品が投稿されるポエム投稿SNSを、夫婦で10年運営しています。
日々、たくさんのポエムに触れながら、
現代のポエム文化やSNSで生まれる表現の変化を研究し続けています。
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