ポエムを書こうと思っても、なかなか言葉が出てこない。
気持ちはあるのに形にならない。
そんな日が続くこともあります。
ポエムには決まった書き方がありません。
だからこそ、書けないと感じる瞬間がひときわ強く思えるのかもしれません。
ここでは、書けない時期との向き合い方について考えてみます。
気持ちや出来事はあっても、今すぐ言葉になるとは限りません。
心の中に沈んでいるものが、まだ言語の形になっていないだけのこともあります。
書けないという状態は、空っぽなのではなく、言葉になる前の時間を過ごしているだけなのかもしれません。
ポエムは上手に書くものではありません。
人に見せる前提で整えなくてもいいし、きれいな表現でまとめる必要もありません。
乱れていても、単語だけでも、自分の心から出てきたのなら十分です。
書けないと思うときほど、うまく仕上げようとする気持ちが自分を縛ってしまうことがあります。
まずは上手さから離れてみてもいいと思います。
どうしても何か書きたいのに言葉が出ないときは、一言だけでも紙の上に置いてみてください。
好き
寒い
会いたい
疲れた
光
どんな言葉でもかまいません。
そこから連想できることを少しずつ書き足していくと、思いがけない形でポエムが広がることがあります。
自分の言葉が動かないときは、誰かのポエムを読んでみるのもひとつの方法です。
人の感情や風景に触れると、自分の心が静かに揺れて、書くきっかけになることがあります。
人の言葉を真似する必要はありません。
ただ読むだけで、心のどこかが少し温まったりざわついたりして、自分の言葉の種が思いがけず芽を出すことがあります。
写真や風景を見ることも、言葉を助けてくれます。
夕暮れの色、影の形、街のにおいを写したような写真。
そうしたものを眺めていると、直接関係のない気持ちがふっと言葉になっていくことがあります。
視覚から入った小さな刺激が、心の奥に沈んでいた気持ちをそっと動かすのかもしれません。
書ける日があれば、書けない日もある。
そのどちらも、確かにあなたの中にあります。
書けない時間を否定しなくていいし、急がなくてもかまいません。
沈黙のあいだに、ゆっくり言葉が育っていくことがあります。
ポエムの書き方は、言葉を整える方法というより、心の変化と付き合うやり方に近いのかもしれません。
焦らず、自分の速度のままに向き合ってみてください。