#拙者のポエム（フィクション）

自分は幸福のまま

他人の不幸を眺める

それが僕の天職みたいだ

愛し合うはずだった

あべこべの2人の少年少女

天の河を眺めていた少年少女

2人はいつからか

愛することを許されず

会うことも出来なくなったんだそうな

堕落した一日の

新月の夜

救いようもない闇と

冷たい空気の中

少女が独り彷徨っていた

『愛をください』

そう掠れた声で呟きながら

惑星が朝日に向かい

月光の勢力が弱まる明け方

少し早く目が覚めた僕は

残月に向かって呟いていた

『あの時みたいな空だな』

嫌われ消えて現れ好かれを繰り返す

永遠の命を手に入れた道化師は

今日も1人虚しく人々を

操り遊んでいたんだ

『気づいて欲しいな』

そんな本音を潜ませながら

未熟な僕等の愛の誓など

脆い戯言にしかすぎなくて

ｵﾄﾅﾆ
"完成"された時には

記憶の鱗片も残らない

不確かな言の葉なのさ

枯れてしまった

一輪の小花のような

弱々しい夢に

依存して

今日も俺は夢を語る

　　　　 ﾎｼ
雨降りの地球の

夏季の節句前日

止められない涙と

進まない日付に紛れて

君は儚くなっていてさ

海水のような味の弱々しい雨

そんな雨にさすのは

優しく差し伸べられた手ではなく

邪険視と嘲笑だったんだ

君が独りで泣いていた

僕に隠して泣いていた

僕に話す義理は君にない

だけど僕は

君のすべてを受け止めて

君を浄化したかった

甘い幻想に夢物語

一度は描いた空想世界を

お気に入りのパーカーの袖に

今でも隠し続けている