※この物語はフィクションです
                            ※長編小説/恋愛系(リクエスト)
                            ※読まないで好き押すのNG
                            ※クオリティー低い…
                            ※1話の続きです
                            (下のタグで1話に飛べます)
                            
                            初見さんは是非そちらから
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                            
                            
                            
                            もういっその事
                             
                             
                            彼奴の方が
                             
                             
                            幸せにしてくれるかな、なんて…
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                            
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                            #恋は盲目、失恋は晴眼 2,
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                            Episode 1,
                             
                             
                             
                             
                            『映画のチケット、買っといた』
                             
                             
                            「ありがとう」
                             
                             
                            君が私に差し出してくれる
                             
                             
                            受け取ろうと手を伸ばした時
                             
                             
                            横から取り上げられ
                             
                             
                            【はい、これ】
                             
                             
                            と自分のを渡される
                             
                             
                            「あ、うん…」
                             
                             
                            驚いたように
                             
                             
                            目の前の友人を見つめる君
                             
                             
                            【チケット、汚れてたから…】
                             
                             
                            『ほんと?
                             
                             ごめん、交換しようk_』
                             
                             
                            【平気だよ】
                             
                             
                            《あー、分かったー
                             
                             アンタその子のこと好きだから、
                             
                             嬉しそうな顔して
                             
                             チケット貰おうとしてるの
                             
                             気に食わなかったんでしょ》
                             
                             
                            [そういう事、]
                             
                             
                            【ちげーよ
                             
                             もう映画始まるぞ】
                             
                             
                            早歩きで去っていく
                             
                             
                            『そろそろ行こうか』
                             
                             
                            皆で歩き出す
                             
                             
                            《アンタ、調子に乗らないでね?》
                             
                             
                            「え?」
                             
                             
                            鋭い目で睨まれる
                             
                             
                            《とぼけないでよ
                             
                             ちょっと好意を
                             
                             抱かれてるからって
                             
                             自惚れてると痛い目見るわよ》
                             
                             
                            「男子に媚び売ってる
                             
                             あなたに言われたくない」
                             
                             
                            語気を強めて言い返す
                             
                             
                            《本当むかつく》
                             
                             
                            「そんなんだから、
                             
                             いつまでたっても_」
                             
                             
                            《きゃー、痛いぃ》
                             
                             
                            思わず1歩踏み出した時
                             
                             
                            バランスを崩してその子がこけた
                             
                             
                            私はぶつかっていない
                             
                             
                            もちろん人の気を引くために
                             
                             
                            わざと転んだのだ
                             
                             
                            大げさに、
                             
                             
                            周りにポップコーンと
                             
                             
                            ジュースを撒き散らしながら
                             
                             
                            【どうしたんだ?】
                             
                             
                            『大丈夫!?』
                             
                             
                            《右足が痛いぃ…》
                             
                             
                            『立てそう?』
                             
                             
                            すぐさま首を横に振る
                             
                             
                            そうだろうと思ったよ
                             
                             
                            《あんたムカつくって言われて
                             
                             いきなり
                             
                             後ろから突き飛ばされたの》
                             
                             
                            私の方を指さしながら
                             
                             
                            淡々と喋る
                             
                             
                            「違う!あなたが勝手に_」
                             
                             
                            《あー、右脚がァ…》
                             
                             
                            わざとらしく君の胸に倒れ込む
                             
                             
                            『救急車呼ぼうか?』
                             
                             
                            なんで気づかないんだろう
                             
                             
                            見るからにわかるではないか
                             
                             
                            その子は怪我なんてしていない事
                             
                             
                            《ううん、私は平気
                             
                             早く映画…》
                             
                             
                            『何言ってんの、
                             
                             また今度にしようか?』
                             
                             
                            《嫌よ、せっかく
                             
                             皆集まってくれたんだもの》
                             
                             
                            『でもその足…』
                             
                             
                            《気にしないで
                             
                             頑張ってついて行くわ》
                             
                             
                            『どうやって?』
                             
                             
                            《壁を頼りに》
                             
                             
                            『それは危ない
                             
                             取り敢えず
                             
                             解決策が見つかるまでは
                             
                             俺がおぶって行くよ
                             
                             乗れる?』
                             
                             
                            《いいの?
                             
                             重いよ?》
                             
                             
                            何言ってやがる
                             
                             
                            目キラキラ輝かせやがって
                             
                             
                            乗る気満々じゃないか
                             
                             
                            『大丈夫
                             
                             俺、体力には自信あるし笑』
                             
                             
                            《じゃあ、遠慮なく》
                             
                             
                            君がその子の膝裏に
                             
                             
                            手を入れて立ち上がる
                             
                             
                            『あぁ、余裕だわ笑』
                             
                             
                            カーッと頭に血が上る
                             
                             
                            この世は不平等だ
                             
                             
                            『もう大丈夫だから、
                             
                             これからは気を付けてね』
                             
                             
                            そっと私に囁く君
                             
                             
                            怒りを堪えながら静かに頷いた
                             
                             
                             
                             
                            Episode 2,
                             
                             
                             
                             
                            【…いいのかよ】
                             
                             
                            「ん?」
                             
                             
                            【嘘つきに負けていいのかよって】
                             
                             
                            「…見てた?」
                             
                             
                            【見てた】
                             
                             
                            床に散らばったポップコーンや
                             
                             
                            零れたジュースの処理を
                             
                             
                            している最中の会話だった
                             
                             
                            「…いいの」
                             
                             
                            【?】
                             
                             
                            「好きになった私が
                             
                             大馬鹿者だった」
                             
                             
                            【悔いはないのかよ】
                             
                             
                            「ないって言ったら
                             
                             嘘になるかな…
                             
                             でも、もう諦める
                             
                             勝てっこない」
                             
                             
                            【…俺は悔しい】
                             
                             
                            「っ…?」
                             
                             
                            【いくらなんでも酷すぎだろ】
                             
                             
                            「…」
                             
                             
                            【彼奴らだけ映画見てるだと?
                             
                             ふざけんな
                             
                             こっちは雑用を
                             
                             やらされてるってのに】
                             
                             
                            「…ほんとよね
                             
                             マジでムカつく!」
                             
                             
                            ふっと視界が歪む
                             
                             
                            頬を熱い何かが伝っていく
                             
                             
                            「ムカつく…ムカつくぅ……」
                             
                             
                            【お前…笑】
                             
                             
                            「彼奴のバカぁ」
                             
                             
                            【はははっ】
                             
                             
                            頭をぐしゃぐしゃと撫でられる
                             
                             
                            【映画の上映時間で良かったな、
                             
                             このフロアには
                             
                             俺ら2人しかいねーよ】
                             
                             
                            「知ってるから
                             
                             言ってんの!笑」
                             
                             
                             
                             
                            Episode 3,
                             
                             
                             
                             
                            『後片付け、任せてごめん』
                             
                             
                            「いや、私のせいだから…
                             
                             謝るならこっちに言って」
                            
                            
                            隣を指さす
                             
                             
                            【いや、全然大丈夫】
                             
                             
                            《何か色々とごめんねー?》
                             
                             
                            「…ううん」
                             
                             
                            【お前、どうやって帰んの?】
                             
                             
                            『俺が家近いから送ってく』
                             
                             
                            【そっか】
                             
                             
                            《じゃ、またねー》
                             
                             
                            [お先にー]
                             
                             
                            「…目が腫れてる事にも
                             
                             気づいてもらえなかったな…」
                             
                             
                            【…俺だったらすぐ気づいてたのに】
                             
                             
                            「ありがとう」
                             
                             
                            【そろそろ帰るか】
                             
                             
                            「だね」
                             
                             
                            肩を並べて夕日の沈む帰路を歩く
                             
                             
                            そのスピードは
                             
                             
                            ゆったりとしたものだった
                             
                             
                             
                             
                            Episode 4,
                             
                             
                             
                             
                            【じゃあ、学校で】
                             
                             
                            「うん、またね」
                             
                             
                            【ああ、あとこれ】
                             
                             
                            目をやると
                             
                             
                            そこには服の値札が
                             
                             
                            「あっ!」
                             
                             
                            【一応、返す】
                             
                             
                            「捨てといてよ///」
                             
                             
                            【だって_】
                             
                             
                            
                             
                             
                            《違う、違うの!》
                             
                             
                            『ちゃんと見てたから』
                             
                             
                            《見間違いよ、あいつが_》
                             
                             
                            『残念だよ』
                             
                             
                            《待って…》
                             
                             
                            『もう俺に関わらないで』
                             
                             
                            そこにいたのは
                             
                             
                            君と道端に
                             
                             
                            座り込んでいるあの子だった
                             
                             
                            君の氷のような目、
                             
                             
                            はねつけるようなその口調
                             
                             
                            どちらも初めて見る表情だ
                             
                             
                            【おいおい、何してんだよ】
                             
                             
                            『見てわかるだろう
                             
                             問い詰めてるんだ』
                             
                             
                            【何のために】
                             
                             
                            『嘘をついたことで』
                             
                             
                            言葉を一旦止めて、私を見る
                             
                             
                            『君を傷つけたことをだ』
                             
                             
                             
                             
                            Episode 5,
                             
                             
                             
                             
                            「見てたの…?」
                             
                             
                            『見てた』
                             
                             
                            【じゃあ、なんで
                             
                             こいつをおんぶした】
                             
                             
                            『信じたかったからだ』
                             
                             
                            【は?】
                             
                             
                            『自分で嘘をついたことを
                             
                             明らかにすると、
                             
                             してくれると、
                             
                             信じたかったからだ』
                             
                             
                            「じゃあ、なんで今
                             
                             ここで問い詰めたの?
                             
                             LINEでだって
                             
                             連絡とれるでしょう?」
                             
                             
                            『謝りたかった』
                             
                             
                            「え?」
                             
                             
                            『帰る時に
                             
                             ここを通るの知っているから
                             
                             その時に謝ろうと思って』
                             
                             
                            君がぴんと背筋を伸ばして私を見る
                             
                             
                            『ごめん
                             
                             もう傷つけない
                             
                             だから、許してほしい』
                             
                             
                            ずるい、ずるいよ
                             
                             
                            嫌いになろうと思ってたのに、
                             
                             
                            諦めようと思ってたのに
                             
                             
                            じわじわと視界がまた滲み出す
                             
                             
                            『また泣かせちゃったな…苦笑』
                             
                             
                            「…」
                             
                             
                            『さっき泣いたでしょう?
                             
                             目が真っ赤だった』
                             
                             
                            「え…気づいてたの、」
                             
                             
                            『罪悪感半端なくて
                             
                             俺、その場から逃げた
                             
                             でも、どうしても謝りたくて
                             
                             辛い思いして欲しくなくて
                             
                             ここで…』
                             
                             
                            「ありがとう」
                             
                             
                            『えっ?』
                             
                             
                            「私、絶対嫌われた
                             
                             だろうなって思って、
                             
                             そしたら
                             
                             居ても立ってもいられなくて…
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             君に距離を置かれるのが
                             
                             怖くて仕方なかった」
                             
                             
                            『嫌ったりしないよ
                             
                             距離も置かないよ
                             
                             約束する』
                             
                             
                            君が得意げに
                             
                             
                            口の端を持ち上げた
                             
                             
                            「約束ね?」
                             
                             
                            『うん、約束』
                             
                             
                            君の小指が
                             
                             
                            そっと私の小指に絡んだ
                             
                             
                            「…約束…」
                             
                             
                            その言葉の響きが
                             
                             
                            優しくて、嬉しくて
                             
                             
                            思いが
                             
                            
                            目の端から滴となって溢れ出した
                             
                             
                            『泣くなよー笑
                             
                             小学生じゃあるまいし』
                             
                             
                            「泣かせたのはそっちでしょ笑」
                             
                             
                            『そうだった、そうだった
                             
                             よしよし』
                             
                             
                            ふざけながら
                             
                             
                            頭をポンポン叩いてくる
                             
                             
                            「こらぁー笑」
                             
                             
                            『うわぁー笑』
                             
                             
                            追いかける私
                             
                             
                            逃げ回る君
                             
                             
                            【…帰るか…】
                             
                             
                            《…そうね…》
                             
                             
                            そっと踵を返して
                             
                             
                            立ち去って行く影が
                             
                             
                            あったことなど、
                             
                             
                            私達は知る由もなかった
                             
                             
                            
                            こんな他愛もない時間が
                             
                             
                            永遠に続けばいいのにな、
                             
                             
                            そんなことを考えていたのは
                             
                             
                            ここだけの話
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                            end___