『ママの おにぎり食べたい』
送られて来た文字に
小さな子供かよ!と
心の中で突っ込みながら
何かツラい事があったんだろうと
聞かなくても分かってしまう。
以前にも書いた事がある、
いつか 公園で拾った
私の、 血は繋がらない子供。
彼女の母親は
彼女がまだ小学生の頃
病気で亡くなった。
優しいお母さんだったと言っていた。
良かった。
彼女が中学生の頃
父親は ある日 突然
殺人で捕まった。
そこそこ大きくて
キレイだった彼女の家は
売りに出された。
彼女の行き先はおばあちゃんの所
と決まっていたけれど
彼女は友達と2人
公園で暮らし始めた。
私の家で暮らし始めてからも
世の中にはモンスターは確実にいた。
守り切れない事が悔しかった。
彼女の同級生の母親達も
残念な大人だった。
まだ子供の彼女に
冷たい視線と
酷い言葉をいくらでも
投げつけた。
私さ、 言わなかったけど知ってたのよ
あんた達が 昼間 ダンナとは
違うオトコと会ってること。
あんた達がオトコに歳をサバ読んでた事も
オトコに会う為にしてた
もっともっとひどい事も、ね。
自分の事は棚に上げて
人は何処までも残酷になる
愚かな生き物だ。
そんな奴らのせいで
彼女はこの先も人より
多く傷付いて生きて行くんだろう。
私に出来る事は数少ない。
あの頃
時間もお金もなかった私は
育ち盛りの彼女達に
おにぎりばかり
握っていた気がする。
私の握るおにぎりは
なんとも可愛くなくて
どう頑張っても小さく作れなくて
デカいよ(笑)
と彼女達はいつも笑った。
もっといい物食べさせてあげるよ?
そう送った私の返事に
『おにぎりがいい』
の返事。
分かったよ
大っきいおにぎりね。
今日は早く帰ろう。
今はあの頃
あなたと住んでた家ではないけれど
『おかえり』と 抱きしめよう。
あの頃よく作った 豚汁もつけよう。
寒くなったしね。
あぁそういえば
誰かの為に ご飯を作るのは
ちょっと久しぶりだ。
おにぎりだけど(笑)