episode1
物心着く頃から"感情"というものを捨てて生きてきた。
人を信じても意味無いことを知った。
誰にも頼らず生きていくと決めた。
幼い頃から体が弱かった私は入退院を繰り返していた。
そんな私は母にとって邪魔だったのだろう。
シングルマザーとして私のことを育ててくれた母は父が夜逃げかのように逃げたあの日から精神状態が不安定になっていたのだろう。
私が入院すると男あそびができなくなる、お金も減る、そのため母は体の弱い娘は必要なかったのだろう。
『あんたなんて、産まなきゃ良かった。』『あんたがいるから、私の人生どん底よ。』『なんであんたがいて、あの人がいなくなるの。あんたがなくなればよかったのに。』
そんな言葉を聞かされて育った私はそれはそれはとんでもなく自己肯定感低いひねくれ女に成長した。
「柊さん。今日はもう上がってもいいよ。」
柊 真冬。25歳。都内に住むヤニカス女です。
家の近くにあるこじんまりとしたカフェで働いています。私にはそんなことしかできないので。
コーヒーが好き。それだけの理由でカフェで働き始めて早5年。それなりに作れるようになってきた。
もう無くなりかけていた赤マルを買いにコンビニに寄る。今日はどうやら寒波と言われるものがくるとかこないとかテレビで言っていたのを思い出した。
どおりでクソ寒いわけだわと心の中で思いながら買ったばかりのタバコに火をつける。
あんな母親に育てられたせいでこじらせアラサー女が誕生している。
そりゃ人並みに恋愛したいなとか思いますが、人を信じることができない私には難しいことだと自覚はしている。
そんなどうでもいいことを思いながらタバコの火を消し、私は寒さを凌ぐため早足で家に帰った―――。
登場人物
柊 真冬(ひいらぎ まふゆ)
12月25日生まれ。25歳。
ヤニカス。銘柄はマルボロ(赤マル)
母親からの虐待のせいで捻くれた人間になった。
懐音・11時間前 #小説 #恋愛 #例えこの先の未来がどれだけ苦しくても #←タイトル