「一瞬流れる星に願いを託す。」
《それだけじゃダメだ。》
誰かが言った。
《あの星は落ちるだけではないか。》
と。
誰かが言った。
《願いを託したその星を、
君は探さなくてはいけないだろう?》
と。
誰かが言った。
《見つけた頃君の願いは叶うだろう。》
と。
誰かが言った。
『君の願いを唱えてごらん。』
『きっと僕らが叶えてあげよう。』
『早く見つけて。』
『君の願い=僕らの願い』
『さぁ、唱えてごらん。』
『その願いは』
『君の恋の終着点になるだろう。』
私は願った。
“心の安息をください”
と。
重複していた声が
聞こえなくなった。
【それだけかい?】
誰かの声がした。
【あいつはさっきこう言った。
『君はそれを探さなければならない』
と。】
そうだった。
じゃあ、探しに行かないと。
ドアに手をかける。
また誰かの声がした。
【見つけた時に多くの幸運が
欲しいだろう?】
……自分じゃ分からない。
【分からない、か。】
【じゃぁ、
無理に見つけなくてもいい。】
【分からないことを
考えるのは無理だ。】
【ゆっくりでいい。】
【あの流れ星は
君の本当の願いが見つかるまで
流れ続ける。
俺らは君を待っているよ。】
本当の、願い?
街に出られない私に願いなんて…
【外には出たくないのかい?】
出たくないよ。
怖いもん。
何があるか分からない。
何を言われるか分からない。
どう思われるか分からない。
私がなんなのか……分から…ない。
【知りたくないの?】
知りたくない!
他の人と違うって分かったら怖い!
【人の心を覗くのはどう?】
人間は怖いって
誰かに言われたことがある
【そっか。
正しいことを教えてもらったんだね。】
『でもそれじゃ、
何も変わらない。』
《ずっと山に籠ってたら
何も出来ないよ?》
何かをしたいだなんて思わない。
【今はそれで大丈夫だよ。】
なら…………
【でもね。
い つ か は、
逢い に 来て 欲しいな。】
ずっと待ってる。
aria ヘッダーに好きお願い!・2021-11-21 #流れ星 #願い事 #叶うなら #唱えて #願って #恋 #終着点 #長い #ポエムもどき。 #ポエム
