はじめる

#この感情はアイらしい。

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全23作品・

 貴方が教えてくれた。

_「君のこの感情はアイらしい。」
なんて、貴方らしい回答ね。

 「…ありがとう」
   青空に小さく呟いた。

出水 悠亜(一言みて)・2021-08-02
この感情はアイらしい。
言ノ葉どーめー
アイ
感情
ポエム
悠亜のポエム

短編小説










この感情はアイらしい。














ねぇ私はなんの為に生きてるの?













『僕と生きるためだよ』
















私もそっちに連れて行ってよ



















『僕が生きてる間はだーめ』















生きてても地獄死んでも地獄なら

どこに居ても変わらないでしょ














『なら僕も一緒に地獄に行くよ』

















真っ暗な世界に光を与えてくれたのは

太陽みたいに笑う君でした。


















数学の問題に頭を捻っていると

ドアが開く音が聞こえ台車を引く音と共に

「美桜ちゃん何してるー?」と言いながら

七瀬さんが顔をひょっこりと出す

















「高校3年の問題を解いてます」

そう言いながら軽く微笑むと


















「えっ美桜ちゃんまだ16なのに凄いね」

そう言って感心してくれる七瀬さん

















マスコットキャラクターみたいだな















そんなこと本人に言える訳もなく

シャーペンの手を止めて七瀬さんを見ると

七瀬さんは「ぱぱっとやろっか」と言って

手際よく私の腕と指に機械を巻いて

体温計を渡す。










「今日お昼どのくらい食べた?」

そう聞いてくる七瀬さんに


「半分ほどです」と言うと


「育ち盛りは沢山食べないと」と

頬を膨らませて言う七瀬さん











お母さんか何かだろうか?










そんな事を考えていると

機械音が鳴り響いて体温計を渡すと


「36.5うん、安定してるね」と言う言葉に

ほっと息を撫で下ろす











その後血圧も測り終わり、七瀬さんが

部屋を出る時に控えめに聞いてみる












「あの、隣の部屋の羽山さんは...?」

私のその一言に七瀬さんの瞳孔が

大きく開いたように見えて










「羽山さんは...その...」と

七瀬さんは目を泳がせていた











そっか、羽山さんもなのか...











「私の番ももう遠くないよね」

ぼそっと呟いた声は七瀬さんの耳に

届いていたらしく











「美桜ちゃんは絶対治るよ!」と

目の前で大きな声で言う










私は笑いながら

「ありがとうございます」と言うと

「また後で戻ってくるからね」と

言い残して部屋を出ていった












誰もいない部屋で小さく溜息を漏らす











絶対治るとかそんなことは

他人だから言えるんでしょう?










絶対治るのなら5年もこの中に

閉じ込められていないよ










そう思いながら窓の外を眺める

無邪気に走る小学生が視界に映り











あぁもう死にたいな

そんな感情ばかり私の中に蓄積される














どうして私だけ生き残ってしまったの?













私と関わるほとんどの人達が











この世から居なくなってしまって











そんな深い感傷に浸っていると

コンコンとドアを叩く音が部屋に響く











看護師なら勝手に入ってくるのに











そう思いながら重い体を起こして

点滴棒を片手にドアの方に向かって

「なんですか?」と言いながら開けると











「隣の病室に移った花宮 蓮です」と

微笑みながら話す少年が目の前に居た。











引っ越しのような感覚で話すんだな











そう思いながら

「初めまして、佐々木 美桜です」と

軽く自己紹介をしてから

「引っ越しの挨拶は初めてです」と

少しからかう気持ちで言うと花宮さんは













「挨拶するの変ですか!?」と

あたふたした様子で独り騒いでいる











「大丈夫ですよ、挨拶嬉しいです」

そう言って軽く笑うと花宮さんも

「なら良かった!」と言って

ふわっと笑いかけた。











「どうして入院されてるんですか?」

私が話を振ると花宮さんは笑いながら











「いやあ、車が突っ込んできて

避けようと思ったんですけど

避けきれなくて腕を複雑骨折しました」











笑いながら話す花宮さんを

とても遠く感じた











交通事故...車が...突っ込む











『みお...あなたは...いきて』


『さきに...きえて、ごめんな』














...やめてやめてやめて

















「佐々木さん?」不安そうに顔を

覗き込む花宮さんが視界の端に映る















「お願い...辞めて...お願いだから」













そんな言葉を無視して花宮さんは

「佐々木さん顔色悪いけど大丈夫?」

そう言いながら寄ってくる花宮さんに











「いやああああああ」と叫んだ後

ふわっと意識が薄れてそのまま私は

床に向かって体が傾いていく











でも痛みは感じず、

暖かい感覚を感じながら

私の意識は途絶えてしまった。










蓮side


彼女を一言で表すとは高嶺の花

黒く長い髪はくせっ毛がなくて

白い肌に大きい目と高い鼻が目に映る













俗に言う美人という部類なのだろう















「なんですか?」と少し不機嫌に

尋ねてくる彼女に僕は











「隣の病室に移った花宮 蓮です」と

少し緊張しながら言うと、














「初めまして、佐々木 美桜です」と

少し笑いながら自己紹介してくれた











笑った顔がとても素敵だな

そんなことを考えていると

「引っ越しの挨拶は初めてです」と












不敵な笑みを浮かべながら

ぼそっと呟く佐々木さん











えっみんな挨拶しないの!?













「挨拶するの変ですか!?」と

驚きながら大きな声で言うと










「大丈夫ですよ、挨拶嬉しいです」

そう言って軽く笑う佐々木さんに
















「なら良かった!」と言って

ふわっと笑いかけた。











「どうして入院されてるんですか?」

佐々木さんが僕の体のことに触れた












あぁ笑われちゃうかなあ

そんな一抹の不安を抱きながら










「いやあ、車が突っ込んできて

避けようと思ったんですけど

避けきれなくて腕を複雑骨折しました」


と小さく呟いた。












彼女の顔色を伺うと

俺は目を見張った。











明らかに動揺した様子で

顔色は真っ青になっていた











肉食動物に怯える兎のような感じ













「佐々木さん?」

恐る恐る聞いてみても返事はない















「お願い...辞めて...お願いだから」












彼女は何に怯えているのだろう












そんなことを思いながら

「佐々木さん顔色悪いけど大丈夫?」

と言いながら近くに寄ると











「いやああああああ」と

凄まじい悲鳴をあげた後











彼女の体が崩れ落ちた。











俺は折れて無い腕で彼女を抱き締め

共に床に倒れた










倒れた時に折れている腕を

少し床に押さえつけてしまい

鋭い痛みが腕に襲いかかる











「...っ」


俺は叫びたい声を抑え

胸の中にいる彼女に声をかけたが

その声が届くことは無かった。










しばらくすると看護師が

数人向かってきて彼女を連れていき











俺は看護師に事情を聞かれた











一通り事情を説明して

俺はレントゲンを撮ることになった

床に倒れた時から痛みが止まらないから










結果折れた骨が少し

動いてしまったらしい











退院の日が少し延びると俺は

医者と看護師に告げられた











部屋に戻る時俺は七瀬さんという

看護師に呼び止められた











「彼女に交通事故の話は絶対しないで」

真面目な顔で強く言う七瀬さんに

俺は頷くことしか出来なかった。













俺は佐々木さんの部屋に入って

ベッドの近くに椅子を置き

佐々木さんの手を握った












そういえばどうして彼女は

入院してるのかまだ聞いていないな












そんなことを考えていると

手が微かに動いたきがした










佐々木さんを見つめると

ゆっくり彼女の瞳が開いて

こちらの顔と目が合った
















佐々木さんは目が覚めるや否や

昔の話を聞いて欲しいと言った




















俺はなんでも聞くから自由に話して

と言うと彼女は窓に顔を向けながら

昔の話を始めた。











美桜side











昔はとても幸せだった

暖かい家族があって帰る家もあって

なんでも話せる友達が居た










けど幸せというのは

なんの前触れもなく壊れてしまうの









お母さんとお父さんと3人で

旅行に行くことになった

幼い私は、はしゃいで騒いでいると

お父さんがこっちを向き

うるさい、と笑いながら言ったあの一瞬

たった数秒で運命とやらは大きく変わった










迫り来る黒いワゴン車が

一瞬視界いっぱいに映り

凄まじい衝撃と共に私の意識は

遠くに飛んで行った。











目を覚ますと車の中にいた

前の座席でぐったりしている

お父さんとお母さんが目に入り











身体中に緊張と焦りが走る

「パパ、?ママ、?」

目の前にいるふたりに少し大きな声で

呼びかけても2人の返事はない










私は2人を揺すりながら呼びかけると

お母さんが朦朧とした意識の中で

「みお...あなたは...いきて」

と蚊の鳴くような声で呟く










冗談でしょ?

小学2年生の私でも

これがどんな状況で何が起きてるのか

怖いくらいに理解ができてしまった











「さきに...きえて、ごめんな」

隣でお父さんが苦しそうな声で

小さく弱々しく呟く












「私もここに居るっやだ離れない!!」

そう私が泣き叫んでいる時に

救急隊の人が駆けつけて

私を車の外に引きずり出す











救急隊のある人がガソリンの匂いに気づき

急いで離れた刹那凄まじい衝撃と爆風が

辺り一体を襲いかかった。










恐る恐る後ろを振り向くと

私がさっきまでいた場所は

炎の海と化していて、










あたりの人は大騒ぎしているのに

私の頭はやけにクリアだった。











私が歩きながら車に向かっていると

途中で救急隊の人に抱き抱えられた











「離して!中にパパとママが居るの!!」



「早くしないとパパとママがっ!」










いくら叫んでも救急隊の人は

私を車に近づけてくれなかった










気がつくと目の前に両親の遺影があり

あぁ現実はこんなものなのかと思い

この日私の平穏な生活は終止符を打った











でも神様はとことん絶望を好むようで











私は親戚の家に預けられた。

親戚の家での生活は正直

肩身がすごく狭かったんだ。










でもそんな生活も長くは無かった











「美桜さんは心臓病に侵されています」

そう告げられた小学6年の秋










私は余命宣告というものを受けた











「成人まで生きられる可能性は

30%もないかと思います」










そしてその次の春

私は入院することになった

医療費は親戚が負担してくれるらしい











本当に申し訳無かった。

親戚の人に他人同然の私の医療費を

払わせてしまうことに、










こんなメンタルがボロボロな時でも

側に親友がいた、










両親が亡くなった時は

一緒に泣いてくれて


入院してる時は毎日お見舞いに

来てくれていた私の大切な親友










私の大切な親友すらも

神様は奪い去った。











やけに近い救急車の音

今までで一番慌てた看護師の声










心臓が潰れる思いで走った。

走って病院の入口から外を眺めると


病院の前の交差点に沢山の人と

救急車が止まっていた











私は人をかき分けながら進むと

中央に人が倒れていたのは











私の親友だった。










この世の全てを恨み妬み呪った。

なぜ私だけがこんな辛い思いを

しなくてはいけないのか











両親を失って家を失って親友も失って

最後には自分の命も失う運命











何のために生まれてきたのかな

神様はほんとうに意地悪な人だ











それから私は人と距離を置いた

愛する人はみんな消えてしまうから











それでもどうせもう死ぬ運命

死ぬことさえも怖くないよ












話し終わって花宮さんを見ると

目からただただ透明な雫を零していた











「ごめっ...辛いのは佐々木さんなのに」

そう言いながら涙を流す花宮さんには

何故か嫌悪感が湧かなかった。











嫌悪どころか私は「ありがとう」

そう伝えていたんだ。










その日は2人で沢山泣いた











あの日から1週間が立つ












この一週間1度も花宮さんと

話していない気がする











部屋に遊びに行ってみようかな











でも変なやつって思われたらどうしよう











心の中で葛藤して

とりあえず廊下に出てみる

花宮さんの部屋の前に立った時

中から話し声が聞こえてきたの











「転ぶ時注意しろって

あれほど言ったのに」



この声は七瀬さん...?













「それでも佐々木さんのこと

守りたかったんです」


なんの話...、?













「再来週に退院予定なんだから

今度は転ぶ時絶対左手使わないこと」











えっ退院来週じゃないの、?













「はい、頑張ります」











私は部屋から出てきた七瀬さんを

自分の部屋に連行して問い詰める



「さっきの話どういう意味ですか?」








七瀬さんはバツが悪そうに

「あー...もしかして聞いてた?」

と私に控えめに聞いてくる









私は七瀬さんに強く言う

「全部話してください」










七瀬さんは困ったように

笑いながら話してくれた








七瀬さんの話によると


私が錯乱状態になって倒れた時

花宮さんが私を受け止めて

そのまま倒れる前に左手を

地面に押さえ付けて

骨が動いてしまったらしい












私のせいだ...やっぱり私と関わる人は

みんな不幸になる









七瀬さんは私の顔を見て

「じゃあ会いに行ってみますか」と

言いながら七瀬さんは私の手を引いて

隣の病室に向かう











こんな気まずい時に何をするの?











「思ってることは伝えないと後悔するよ」

そう言って七瀬さんはドアを開けて

「ほら」と言って私の背中を軽く押した










「佐々木さん...」

心配そうに顔を覗く花宮さん










「ごめんなさい」

ただこの一言しか出てこなかった










「佐々木さんは悪くないよ」

そう言って微笑む花宮さん

私の言いたいことが分かるのだろうか








花宮さんは顔を赤くしながら

「その..ほっとけなくて...

僕が勝手にしたことだから...

自分を責めないで欲しい..な」と呟く















たどたどしく話す花宮さんが

少し可笑しくて私は笑った














沢山笑った後

「ありがとう蓮くん」と

万遍の笑みで微笑むと














花宮さんは耳まで赤くしながら

「これからも蓮って呼んでよ」と

恥ずかしがりながら呟く
















暖かい感情を感じた気がした











あれから2週間

蓮くんと沢山話したり

中庭を散歩したり沢山の思い出を貰った












そして本日は蓮くんの退院日










「蓮くん退院おめでとう、元気でね」

そう万遍の笑みで伝える










ほんとは行って欲しくないのに










いかないでって言ったら君を

困らせてしまうだろうからさ

私は笑顔で君を送り出すよ。











私の言葉に蓮くんは

「迎えに来るから」と一言述べる











何を言っているのだろう?










私のお迎えが来るのは

死神さんからなのに













そんなことを思いながら

「待ってるね」と言って微笑む














そして蓮くんは病院から去ってしまった











何故か虚しさだけが部屋に佇む










蓮くんが居なかった時はどうやって

一日を過ごしていたっけ?










たった3週間の関わりだけど

一生のうちで1番幸せだった











蓮くんのことを思い出すと心が苦しくなる

この感情はなんって言うんだっけ?














そんなことを毎日考えながら1ヶ月が過ぎた










世間は夏休みムードで

沢山の人が夏休みをはしゃぐ中

私の体はどんどん弱くなっていった















呼吸器をつけないと

息が苦しいくらいに私の体は弱っていた














来年の桜は見えるのだろうか














私の名前は美桜。

美しい桜と書いて美桜

桜のように私の命も儚く散りゆくのだろう











そう思いながら窓を眺めていると

七瀬さんが部屋に入ってくる










「美桜ちゃん美桜ちゃん!

ビッグニュースだよ!」



凄い慌てた様子で話す七瀬さんに

少し戸惑いを憶えながら



「どうしたんですか?」と聞くと

七瀬さんはありえないことを口にした











「外出許可出たよ!」

そう言いながら燥ぐ七瀬さん










外出許可...?

誰が付き添ってくれるの、?

もう一度外の世界を肌で感じられるの?










そう思いながら

「誰がこんなことを?」

と聞くとドアが開く音と同時に










「七瀬さんー僕が伝えようと思ったのに」

という声が聞こえた。










あぁこの陽だまりのような暖かい声は










「蓮くん?蓮くんなの?」

気がついたら声に出ていた。










「久しぶりだね美桜、

迎えが遅くなってごめんね」

そう言いながら困ったように笑う蓮くん。










『迎えに来るから』

いつの日か言ってくれた言葉

ああ、ほんとに迎えに来てくれた










私は嬉しくて嬉しくて

ただ涙を流していた










そしてその日から1週間後の朝











「体調はどう?」そう言いながら

いつも通り血圧と体温を測る七瀬さん








「めちゃ元気です!!」

そう言って微笑むと七瀬さんは


「じゃあ外出は明日にしようか」

そう言って笑いかけてくれる七瀬さん












ほんとは結構体がきつい

それでも私は蓮くんに会いたいから












蓮くんのことを考えると心が暖かくなる

この感情はなんって言うんだっけ?










そして次の日

朝一番に蓮くんは迎えに来てくれた










「美桜ちゃん独りで大丈夫?」

と、お母さんみたいな発言を

七瀬さんから頂いて、それに対して








「七瀬さんがついてきたら

場がしらけますよ」


と軽く笑いながら言う蓮くん



気をつけてねと言いながら

手を振ってくれる看護師と医者に

背を向けて私は病院を後にした










久しぶりに跨いだ病院の敷地

外の空気はとても心地よかった











どこか行きたい場所はある?

そう尋ねてくる蓮くんに


「蓮くんと一緒ならどこでもいいよ」

そう言って笑いかけた













「それ素でやってるの?」と

少し悪戯っぽく笑いかける蓮くん











何を言ってるのだろう?

そう思いながら見つめていると












「じゃあ暑いし水族館でも行くか」



蓮くんの提案に従い私たちは

水族館に向かうことになった











「入場料大人2名で4680円になります」

受付の人がそう告げる中

私はあることに気がついた











「お金を持っていない...」












あぁどうしよう、また蓮くんを困らせちゃう












あたふたしていると蓮くんが

「僕が払うから心配ないよ」と言って

パパっと会計を済ませてくれた










私は蓮くんに「ありがとう」と言って

水族館の中に入った。










蓮くんと一緒にいると幸せな気持ち

この気持ちはなんって言うんだっけ











一通り魚を見て次どこに行くかを話すと

「あそこに行きたい」

そう言って指さした場所は1つの教会











「えっチャペルに行きたいの?」と

少し顔を赤くしながら聞いてくる彼に



「あっダメだった?」と聞くと


「ダメじゃないよ、行ってみようか」と

優しく声をかけてくれる










中に入ると沢山の人にこちらを見られた

「ここで座って待ってて」

そう言いながら蓮くんはカウンターの方に

足を進めて行った。













「試着をしたいんですけど...」

蓮くんは何かを話しているけど

部分的にしか聞き取れなくて

何を話しているのかよく分からなかったな










しばらくすると蓮くんが

「この女の人について行ってね

後でまた会えるから」と言って

何処かに消えてしまった










私も女の人に連れられて

別の部屋に入ると沢山の

ウェディングドレスが並んでいた。










「好きな服を選んでくださいね」

そう言いながら微笑む女性に

軽く会釈をしてから服を眺める










あっこれいいかも

真っ白なウェディングドレスは

定番中の定番と言ったところだろうか










初めてドレスを来てメイクをして

髪をセットしてくれた










鏡でみた姿はまるで別人のようで

思わず自分に見とれてしまった。










「では行きましょうか」












女性の人に連れられて

大きな部屋に入るとそこには












白いスーツを来た蓮くんが奥にいたんだ。











私は蓮くんのところに向かって

「蓮くん凄くかっこいいね」と言うと

蓮くんも顔を赤くしながら

「美桜も似合ってるよ」と言ってくれた










その一言で胸が苦しくなったの

心臓が悪いからでは無い

もっと別の原因の何か










これはなんって言うんだっけ、?










「お写真取りますよっ」と言って

笑いかけてくれる女性の人










七瀬さんみたいな人だな

そう思いながら私たちは

1枚写真を撮ってもらった。










夕方になり人が減ってきた街中は

今日が消えてしまう合図で












私の体は限界を迎えていた。












歩くのが辛い

呼吸が苦しい










そんなことを考えている刹那

私の視界は大きく傾いた













えっ?と声を出す間もなく

私は地面に転んだ。

体を起こそうと思っても上手く動かない

なんだか凄く眠いなあ













そう思いながら私は眠りについた














目が覚めると見覚えのある天井に

沢山の医者と七瀬さんや親戚のみんな

そして蓮くんが側に立っていた














「最期の言葉をかけてあげてください」

辛そうに呟く医者の声が脳裏に映り

あぁ私死ぬのかって体全てが悟った














「れん...くん」私が儚げに呟いた聲は

彼に届いていたらしく彼は

「どうしたの?ねぇまだいかないで」と

必死に縋るように頼む蓮くん














何故か最期なはずなのに

とても嬉しかった















どうやらこの感情は愛らしい














私は蓮くんに告げた














「大好きだよ」と笑いながら


上手く笑えたかな?










最初で最期の君への想いをここに残そう











私が居なくても君が前を向けるように










「そんなの僕もに決まってるじゃん」

泣きじゃくりながら大きな声で言う蓮くん












「美桜のこと愛してるよ」











あぁ幸せだな。

今が生きてて1番幸せだよ












もう少し早く蓮くんと出会えたら

どれほど良かっただろうな











そう思いながら私の人生は幕を閉じた










蓮side









好きな人が一番幸せと感じていた時に

突然に唐突に亡くなった。











世の中はとても理不尽らしい

あんな小さな子に抱えきれないものを

沢山背負わせて、一番幸せと感じる時に

この世から居なくなってしまうなんて











この世界はアイで包まれている

愛情と哀情

人はどちらを感じることが多いのだろう










葬式が終わった今でも

まだ心が整理できない










君への想いが愛から哀に

どんどん変わっていくのが怖くて











僕は目を逸らし続けた。

ある日七瀬さんから電話が掛かってきた











病院に来て欲しいと。

急いで着替えて病院に向かうと

1冊のノートを持った七瀬さんが

入口付近に立っていた。












「引き出しの中から見つけたの

どうか受け取ってあげて」

そう言って渡してくれたノート

僕は「ありがとうございます」と

お礼の言葉を述べて帰路についた。









開けた1ページ目には

メモ帳と書いてあった。











七瀬さんはなぜメモ帳を

僕に渡したのだろうか











そう思いながらパラパラとメモ帳を眺める

ほとんどが数学の計算式で勉強以外に

すること無かったのだろうかと

少し疑問に思う。










ただある日を境に計算式は終わった











『蓮くんのこと考えると心が暖かくなる

この感情はなんって言うのだろう』


『蓮くんのこと思い出すと苦しくなる

この感情はどんな名前なんだろう』


『蓮くんのこと想うと幸せな気分になる

この気持ちはなんって言うんだっけ?』











こんな自問自答がノートいっぱいに

埋め尽くされていた











ばかだな。

僕に聞いてくれれば教えたのにな












その感情は愛って言うらしいよ。











世界は哀に包まれていても

僕の君の間は愛に包まれているから











だから僕はこの愛の余韻でもう少し

哀に包まれた世界で頑張ってみるよ












愛と哀が混ざりきった

この感情はどうやらアイと言うらしい。

Fin

柳瀬・2021-08-02
この感情はアイらしい。
短編小説
小説
言ノ葉どーめー
誤字脱字すみません
初心者
病気
余命
辛い
苦しい
短編小説書きました


君は“愛”されたかった。

君の心に悲“哀”が満ちた。

君はあの人に“会い”たかった。

君は本当の“I”が知りたかった。


「アイ」なんて言葉は幾つもあった。


_僕が何も知らない君に教えるよ。


「君のこの感情はアイらしい。」_

出水 悠亜(一言みて)・2021-08-01
この感情はアイらしい。
言ノ葉どーめー
悲哀
会いたい
ポエム
悠亜のポエム

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に23作品あります

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「おはよう」

君の寝顔にキスをして

君への”殺意”を閉じ込めて


この感情は

アイなんだと


今日も自分に言い聞かせる

  ・2021-08-06
この感情はアイらしい。
アイが殺意に変わったなら
自分を守る
ごめんね
偽りのアイで愛して。







_形ばかりのアイはいらないよ




       本
       当
       の

          
           アイ
          

             を 
             く
             だ
             さ
             い

涼夜雫桜_(^・x・^)無浮上に近い低浮上・2021-08-02
この感情はアイらしい。
タグお借りしました
言ノ葉どーめー
宙に溶けた想い



君が愛したこの世界で

今日も僕は哀を謳って。


死にきれない僕は

どうやらこの世界をアイしてるらしい。

逢月 結空@返信遅いです・2021-08-05
この感情はアイらしい。
言ノ葉どーめー
独り言
ポエム
苦しいくらいに優しい君

⊿言ノ葉どーめー / 企画



8月になったという事で

早速、企画に入っていこうと思いますっ

題して【第1回 綴詩大会】です!!

名前は同盟名候補から

人気だった名前を取りました()



今回、初めての企画になりますので

ルールを説明させて頂きます

私が月に1度、タグを紹介します

そのタグに沿ったポエムや詩を

綴ってください

沢山投稿してもらって

大丈夫です( '-' )b

紹介したタグを付けられている

投稿の中から

優勝作品を私の独断と偏見で

決めさせて頂きます((

優勝者様には

タグor名前orプレミアム会員チケット

をプレゼント致します

プレミアム会員チケットは

合わせて5枚集めると

プレミアム会員になれるというものです

プレミアム会員については

言ノ葉どーめーの

1番最初の投稿をご覧下さい

投稿期限はどの月も

1日から25日までとします


※タグが付けられていない投稿や

投稿期限が過ぎている投稿は

優勝候補から外れてしまいますので

ご注意ください



長ったらしい説明はこれで終了です()

疑問な点がございましたら

私にお声がけ下さい( . .)"



今月のタグは

# この感情はアイらしい。

です( '-' )✨

皆様の投稿をお待ちしております



言ノ葉どーめー会長 桃薇 兎楼

桃薇 兎楼_ばいばい・2021-08-01
言ノ葉どーめー
企画
独り言
この感情はアイらしい。




「諦めた恋」なのに

君が他の人と笑いあうことに"嫉妬"する

これが【諦められない恋】なんだ__

黒羽桃華・2021-08-02
この感情はアイらしい。
夜霧を切り裂き、貴方の元へ。
諦められない恋
嫉妬
愛してる
好き
恋人




『行かないで』と

『離れて欲しくない』と

君を想う度増していく

ドロドロした君への"アイ"

捺聖 吏釉。🎧☁・2021-08-01
この感情はアイらしい。
ポエム
見つからないもの
独り言
狂愛
束縛
嫉妬
気持ち
私だけを見て
フィクション
メンヘラ
ヤンデレ
好きな人
大切な人
私だけを見て
言ノ葉どーめー

「会いたい」

会えない度に愛は大きくなるの。

でも、貴方に届くのは哀なんだよね。

ヨル🌙☆*。・2021-08-04
この感情はアイらしい。
言ノ葉どーめー
会員No.15_ヨル
叶わない恋
失恋
ヨルの詩

恋が叶った感情が“愛”なら
恋が叶わなかった感情は“哀”なのでしょうか__?

ヨル🌙☆*。・2021-08-01
この感情はアイらしい。
言ノ葉どーめー
会員No.15_ヨル
愛と哀
叶わない恋
ヨルの心

手からこぼれる愛

こぼれた残りの哀を

愛に変えることは

もう出来ない……。

ヨル🌙☆*。・2021-08-02
この感情はアイらしい。
言ノ葉どーめー
会員No.15_ヨル
失われた愛
こぼれた哀
もう戻らない
帰ってこない
失恋
失恋ポエム
独り言
ポエム
ヨルの心


私が君をずっと想い続けていたら君は

『好きだよ。』と

言ってくれましたか__?

黒羽桃華・2021-08-05
この感情はアイらしい。
ポエム
恋愛
好き
愛してる
失恋
好きな人

ある夏の日

君の幕が降りた


『愛してました』

そう言った君の顔は

どうしようもなく苦しそうで

でも幸せそうで



君の歩んだ道が哀だけだったとしても

君と僕の歩く道は愛で溢れてる

斐星 雹・2021-08-02
この感情はアイらしい。
言ノ葉どーめー
ポエム
独り言
見つからないもの
生きた証は君だけで

離れゆく“愛”の気持ちに
私は“哀”の涙をこぼした……

ヨル🌙☆*。・2021-08-02
この感情はアイらしい。
言ノ葉どーめー
会員No.15_ヨル
離れる愛
哀の涙
愛と哀
ヨルの心

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