#偽る

僕と君の

〝二人〟の関係が

〝二人〟にしか わからない理由で

永遠に 続けばいいのに。＿

僕を横目に

〝またな〟と 去っていく 君を
引き止めたいと想う 午後5時26分。


数分前まで 君の温もりがあった空間は
僕の息遣いだけが 耳に障る 午後5時28分。


タバコのスピリットの残り香が
今日 ワンルームの部屋に漂う 午後5時31分。


僕等ふたりの関係は〝名のない関係〟


君から こっそり1本盗んだ 煙草に火をつける。
煙に不安と罪悪感をこめて
毒を吐き出した。


いっその事 このタバコの煙と一緒に
消えてしまえ。と


今日も 瞼を閉じれば 君がいて。
今日も 頭の中には 君との思い出が スクリーンで蘇る。


僕は ゆっくり俯き 涙を頬に伝わせた。＿

〝無理に忘れなくていいよ〟

って聞くけど

でも 無理に忘れようとしないと

今の自分が また 壊れてしまいそうで。

僕だって どうしていいかさえも

わかんなくて。

どうしようもないんだよ。＿

人は失うことでしか

本当に大事なものを 確かめられない。＿＿

〝自殺するような子じゃなかった〟

そうじゃない。

この想いを 知られるのが怖くて。
必死に 必死に 押さえ込んで。
死に物狂いで 最期まで感動を捧げ。

でも 自分一人だけじゃ 抱えきれなくて。
罪悪感と希死念慮感と戦って星になった人。

そんな簡単に〝こんな人〟と決めつけないでほしい。

会いたい理由は
〝会いたかったから〟しかない。

声が聞きたかった理由は
〝声が聞きたかったから〟しかない。


ふとした瞬間に 泣いてしまうのは
悲しいからじゃない。

どうしようもなく切ないほどに
〝好き〟が溢れてしまうから。＿＿

私はよく知っている。


世界で一番 好きな人とは 上手くいかないこと。
どれだけ好きでも 報われないこと。
君の気持ちが 私に一向に向かないこと。


だから気持ちに蓋をした。
気づかない〝フリ〟をした。


〝友達〟としてそばにいると決めた。


「何言ってんのw好きなわけないじゃん。w」


うん。
私は別に好きじゃないよ、君なんか。



だから 今この時間だけは 壊れないで。
だからお願い あと1秒でも多く一緒にいさせてよ、＿＿

本音を吐けずに
ためこめて

本当の表情をださず
偽って

死にたいのに
恐怖で死ねなくて

この世界って
ほとんどこうゆう風に
できてませんか？

私の素を見てくれて、

私の素を好きになってくれる

そんな人が理想です。

いつも〝なにか〟に
満たされてないように感じていた。


君から 1本くすねた煙草を 吸ったあの時
何となく 心が満たされるような気がした。


君に中々逢えないから
初めて煙草を買った。

肺を煙で満たしても。
ひとりじゃ 虚しいまんまだよ。＿

どんなことにも
下手な期待をしては 毒に変わる。

中でも
人間関係と恋愛に関しては

なおさらのこと。


ほら今日も。
ティーンスプーン1杯の期待を胸に

君の返信を待つ。＿＿

うざいって言われてから

人の顔色を気にしてばかり。

『本当はうざいって思ってるんじゃないかな』

『私のことどう思ってるんだろう？』

そういうことばかり考えちゃう。

もう、疲れた。

偽ってばかりいるのは。

偽れば偽るほど

素の自分が分からなくなってさ、

どうしようもなく

深い谷底に落ちた感覚がして


『あぁ、しのう』

甘い甘い ホワイトムスク。
ディフューザー 香水 ミスト。


もう買わない やめよう。
だって部屋1人で嗅いでも
どれも君の匂いとは少し違って。

正解の匂いと体温が恋しくなって
ほら、また寂しくなるじゃん。

「じゃぁ、またな」
その言葉だけを残して
いつもの時間になったら 離れていく君。
都合もいいところすぎて 笑えてくるよね。

手を離して行った君は何してるんだろ。
せめて匂いを見に纏っていたくて。

君はいつだって 意地悪だ。

どういう気持ちだったとしても

全て偽る私だけど

この気持ちだけは『偽りじゃない』

って言えるよ