#哀愁

時計の針は戻せるのに

巻き戻せない時の中で

愛した日々を懐かしむ

「死人に何が語れるの？」

哀愁漂う君の微笑みには

どんな宝物だって敵わないな

耳から血が出てると連絡があって

父親を耳鼻科に連れていく

前までは歩けたけど、

もう車イスじゃないと歩行が難しい…

中耳炎の可能性があるけど

基礎疾患もあるから、

総合病院に行った方がいいって、

おじいちゃん先生に言われた

父も歳取る

私も歳取ったなぁ

夜風が君と一緒に過ごしたいって

哀愁を漂わせる。

遠くの月を見て、

君も見てるといいなと願う。

『会いたい』


なんて…言っても、

あのきれいな青空に消えてしまう。


ただ逢いたいだけなのに。さ。

何故かとてつもなく寂しい


人に構ってもらえなくて寂しい、

とかそんなんじゃなくて


ただ、今のこの時間が

壊れてしまいそうな感じがして。

｢頑張れ！｣

うん、ありがとう。

でもね、僕は頑張ってるよ。

まだ足りない？

背を向けるのはあなたを信じたいから

こんども今もない

あるのは守り抜く勇気

信じぬく強さと優しさ

それだけで生きてゆける

もう一度会いたいだけなの

一緒に言葉を交わしたいだけ

喜びを分かち合える友は

もう……い な い か ら

お わ り

夕暮れ

通り過ぎるほどに

まだ　冬の終りの冷たい風が

吹き抜ける　夕暮れ時

街灯も　燈を灯しはじめ

隣りに　君がいないことを

風を受けて　感じる一刻（ひととき）

君の存在は

幻想よりも　遥か彼方

瞳の水溜りが
震えながら昇る月を見ていた

懐かしい頃までには伝えたいな

本当にありがとうございました

そして

いつも本当にごめんなさい

心から尊敬の念に堪えません

こんなにも別れる事が

うらがなしいとは・・・

貴女の心の温かさ忘れません

哀愁のエピローグ

海の向こう
太陽の眩しいある国で
偶然の出会いから
貴方に恋をして

いくつもの思い出と陽気な笑顔に
時を忘れた晩餐も
毎晩奏でていた音色　いつまでも
胸の中　響いている

今はもう　声さえ聞こえず
繰り返すのは
哀愁のエピローグ

残像

過ぎ去りし日々　二人の思い出は

遥か彼方へと消え去る

モノクロのポラロイド写真

ヒラヒラと散らばり

風に舞って　消えていった

今は　ここにはもう

跡形もなく　声も届かず

微かに