#嘘か

嘘か誠か信じる方で











全校集会





教団の先生がこう言った





"愛と恋は何が違うと思いますか"





そんな質問に手を上げる生徒がいた





＿あ、彼だ、、






目立ちたがり屋で明るい彼が手を挙げた





"俺、今好きな人がいてるんです"





＿好きな人いるなんて知らなかったな、、





"でもその人には彼氏がおって、"





"ただの片想いってやつです"





＿そんなに想われるなんて、、





"その人に初めて愛を教えてもらいました"





＿そんな相手がいたんだ、、いいな、





"この恋は100％叶わへん"





"それでも俺はええ、その人が幸せやったら"





"もちろん一番は俺が幸せにしてやりたい"





"でも、、、"





彼は少し俯いて再びこう言った





"その人の幸せを思う気持ち"





"それが愛なんやないかと思うんです"





"ただの独りよがりな恋やなくて"





"相手を想うからこその愛やと思うんです"





"俺はその人が好きです"





"今にも奪ってやりたいくらい愛おしいです"





"でもその人にとっての幸せが"





"俺ではないことは明白やから、、、"





"その人の幸せを俺の幸せにできたら"





"もうそれで満足です"






心臓がうるさい、目を逸らせない





彼が見つめる先にいる自分の顔はきっと





いつも以上に紅潮しているはずだ





＿自分の事である訳がない、落ち着け、、





"あの、俺もいいっすか"





視線の集まった先には彼氏の姿があった





＿え、なんか思われたかな、、、、





"愛ってその人を喜ばせることだろ"





"想いだのなんだの言ってても"





"幸せになれてなかったら意味ねぇだろ"





"幸せにするために相手に行動しない限り"





"本当にその人の幸せって言えんの？"





＿なんとなく怒ってるみたいだった、、、





"お言葉ですけど、、"





"俺がその人取ってもええんですよ"





‎ "その人を幸せに想うことしかできへん"





"幸せにする役目を譲ってるだけです"





"俺には、あなたたちの関係を壊すことぐらい"





"朝飯前ですよ"






あまり二人の関係を知らないけど





不仲のようで、周りも騒然としていた





＿ん、、？あなたたち？？





"お前にはあいつに触れることすら出来ない"





"絶対渡さねぇからな"





"安心してください"





"幸せになること願ってるだけですから"





きっと彼氏は負けず嫌いで





余裕にかわされることにイラついてる




集会は終始ざわめきながら終わっていった















それからぼーっとして気づいたら朝だった。



∔




∔

嘘か誠か信じる方で













彼との出会いは突然だった




小さい頃からサッカーが好きだった




高校でもサッカーをするつもりだった




中学最後の地区大会




＿右アキレス腱断裂＿




そう医者に言われた時は一気に視界がぼやけた




受け止められなくて、霞んで見えない先生に




"治るんですよね、？"




軽い笑顔で笑って欲しかった




"手術が必要になるんだ"




神をここまで恨んだのは初めてだった




先生は治るとは一言も言わなかった




高校生になってもリハビリは続いた




またいつかフィールドに立てることを願って




高校では少しでもサッカーに関わりたい




そう思ってサッカー部に入った




足を怪我した自分が何かできるわけでもなく




マネージャーをすることになった




今はこれが自分に出来る最高の仕事だ







遠征先でスコアを書く




隣に座ったのは1年の中でも郡を抜く




＿彼だった＿




こんなにも横顔が綺麗な人がいるんだ




巷で有名な俳優に似ていると噂されるだけある




どこかミステリアスで話しかけにくかった








再び手術をすることになった




創傷がうまく塞がらないらしい




もうサッカー辞めたいって言ってんのかな




頭と体で不一致が起きてるのかもしれない




学校に戻れるまで時間がかかった




もちろんサッカー部に戻ることも




学校に戻れた日彼と会った




制服姿を見るのは久々だった




目を合わせたっきり何も無かったけど






次の日





下駄箱に小さな紙が入っていることに気づいた





＿なんだろう、、






そこには彼の名前があった





＿えっ、、？！彼が手紙を、、？





"突然ごめん"





"お前ずっと学校来てなかったよな"





"話なら聞くからなんでも言えよ"





彼の言葉は優しかった





思ったより冷たい人じゃなかった





何よりも自分が学校に来てなかったことに





気づいてくれてたのが嬉しかった









"あ、あの、、これ、、ありがとう、、"





少し戸惑った彼は手紙に気づくと微笑んだ





"いや、仲間やから心配してただけやし"





"あ、昼休第二校舎の非常階段来れる？"





頷くことしか出来なくて





でも彼は優しく頷いてくれた





関西の喋り方が余計にかっこよかった





＿あ、なんで呼び出されるんだろ











"おう、来てくれてありがとーな"





顔を横に振る





"いやお前元サッカー部やろ？"





"う、うん、"





"スコア習わんでも書けてるから見抜いたで"




そう言って彼はニヤッと笑う





＿そんなところを見られてたなんて、、





"お前さ、怪我でもしてるん？"





先生以外に話していなかった怪我のこと





簡単にバレてしまった





"うん、まぁ、、"





"そうなんやなぁ、そりゃ辛いなぁ"





"でも、お前はサッカー部としての仲間やから"





"プレイする奴だけやない"





"サポートする奴がおるから成り立つねん"





"お前の存在はでかいと思うで"





何となく、自分が認められた気がした





"辛いことあったらなんでもいーや？？"





"仲間やし、同級生やし、クラス隣やしな！"





彼の言葉は魔法のようだった








今日から、部活再開















夕焼け空に熱い想いを重ねた




∔




∔

何が本当で
何が嘘なんだか
分かんないや

1年前、あいつは私に思いを伝えてくれた。
私も好きだった、
でも、その気持ちに答えることは出来なかった
それからもずっと大好きだった
でも、クラスが離れた
それから、一緒にいても素で楽しめないようになった
そんな時、私を支えてくれた人がいた
でも、私の親友が君その人のことが気になっているといった
心がモヤモヤした
今まではこんな感情君に抱いたこと無かったのに。
水曜日から学校
そこで、気持ちの整理は着くのかな
もうそろそろ心が持たない
しんどい
親友のこと応援するっていったのに
なんで？
なんで親友のあの言葉で私がもやもやしなきゃいけないの
嫌い、大っ嫌い、でも、すき
あーもーいや
この気持ちに整理が着く日なんてくるのかな…