千華・2022-06-15
父の日
せんなきこと
寂しいよ…
もうすぐ父の日
だけど…
贈る相手が
誰もいなくなってしまった
あなたのいない
二度目の秋が
静かに
密やかに過ぎてゆく
もうすぐやってくる
二度目の冬は
去年よりもっと
冷たくて
寂しいのだろう
貴方のいない
二度目の秋
いつもより
ちょっと寒くて
指先が冷たくて
知らぬ間に
貴方のぬくもりを
求めてしまう
まだまだ
一人には慣れないの
記憶は
どんどん
遠くなっていくね
夢じゃなくて…
もう一度
貴方の笑ってる
声が聞きたい
あなたの写真と一緒に
旅をする
写真は何も食べないし
「美味しいね」も
「きれいだね」も言わない
話しかけてみても
ただ静かに
微笑んでいるだけ
寂しいな…
やっぱり
生身のあなたが恋しいよ
貴方の手の
温もりが恋しくて
弱虫の私に戻ってしまう
こんなひとり寝の夜は
優しい声
聞かせてよ
あなたの歌で
眠りたい
寂しさ募る
夜だから
学生時代の友人
引越し先が分からなくなって
年賀状も届かない
元気にしてるだろうか
ネットを始めた頃
親しくしていた人たち
オフ会での交流も楽しかった
今はどうしているのかな
NOTEで知りあったフレンドさん
たくさんの人がいつの間にか
姿を消してしまった
今も笑顔ですか
触れ合うのも
すれ違うのも
ひとときのことだと
分かってはいても
ハナレバナレは
やっぱり寂しいよ
誰も私を知らない世界で
自由気儘に生きたいと
願ったはずのこの場所なのに
それでもやっぱり寂しくて
誰かと繋がりたいと思う私は
なんて滑稽なんだろう
もし
この家でひとりだったら
もし
これから先
ずっとひとりだったら
そう思うと
淋しくてやりきれない
お一人様の覚悟が
まだまだ足りないのだろう
今は
子供たちがいてくれることに感謝
いつの間にか
空気はすっかり秋で
この間まで緑一色だった田んぼも
稲穂が黄色く色づいて
本当は好きな季節なのに…
貴方のいない二度目の秋
あなたがいないお正月は
やっぱり寂しい
3年続きの喪中
お節も初詣も
年賀状もなくて
何だか味気ない年の始め
…もう慣れたけどね
こうしてまた
新しい日々が続いていく
貴方がいなくなって
部屋は広くなったのに
私は今も
片隅で丸くなっている
貴方が寝ていた場所には
さわれないの
貴方は
私の街灯でした
辺りが薄暗くなって
寂しさが募る頃
そっと私の足元を
照らしてくれる
横路にそれたり
つまずきそうになったとき
こっちだよと
導いてくれる
今はひとり
寂しくて暗い道を
手探りで歩いています
こんなとき
貴方がいてくれたら
何度もそう思いながら
でも貴方はいなくて
ひとりで今日まで
何とかやってきました
今も時々寂しくて
泣きたくなるけど
やっぱり貴方は
もういないんだから
これからもひとりで
生きていくしかないのです