昔の特別な夜。
とても奇妙でとても嬉しくて
涙も乾いて寝てしまった夜。
それは中学2年か3年、
体育でダンスがあった時期。
体が微妙に不自由で
思う様に動かなかいがために
テンポはワンテンポ遅れて
覚えるのも遅いし
皆に迷惑をかけていた。
今思うと、やっぱり可哀想すぎて
本当に当時の周りの人恨めるんだけど笑
でもこれがなかったらこの夜は無くて
今の感情としてはこれくらいなら
まあ仕方なく通るべき道だったと思ってる。
その夜の話を今からします。
その夜は多分冬に入る季節で
少し肌寒かった。
寝る間際に私は寒々とした
我が家のトイレに
何分も立てこもっていた。
理由は「寝たくなかった」から。
寝たら明日になって学校に行って
体育で沈黙のいじめに
苦しまなきゃいけないでしょ?
それが嫌でどうしても寝たくなかった。
その時も私は大切な人の写真に
想いを少しだけ馳せて見ることにした。
その時の苦しさや嫌なこと
それが故に明日が怖くて寝たくないこと
早くいなくなりたいこと
すがる気持ちで想いをぶつけた。
想いを写真に話し終わって疲れていたら
頭の中央に「大丈夫!」という
大切な人の声が響いた。
安堵感と嬉しさで涙が止まらなかった。
別に言われたわけではないし
その声が単なる私の頭の記憶から
掛けてもらいたい言葉を
再生させただけだと分かっていたけど
私にはまるで直接言われたような気がした。
そんなこんなで泣き疲れて
泣きながら眠ってしまった。
次の日、私は無事に体育をやりきれた。
無言のいじめも無くなっていた。
無理強いもされなかった。
何も言わずにただ認めてくれた。
これが大切な人からのプレゼントかなって
ずっと5年もの間温めてきた思い出。