小さい頃から ずっと
幼稚園の先生になるのが 夢だった。
高校生の時 看護師という選択肢に
揺れた時期も あったけど やっぱり 私は
保育士の道を選んだ・・
高校卒業後 幼児教育科のある短大で
保育士資格と 幼稚園教諭免許を
習得する為に 一生懸命 勉強をした。
こんなに 真面目に勉強したこと ない!
って いうくらい勉強した。
一般科目は 面白くもなんともなかったけど
専門科目の 小児保健 小児栄養
児童心理学 等 その他 数々の
専門分野の講義を受けながら 憧れの
保育士を 夢みて ウキウキしていた。
数ヶ月後には 現場での 実習が 始まり
幼稚園実習 2回 保育園実習
障害者施設実習を それぞれ 2週間ずつ
体験した。
実習前に 「子ども達に とっては 実習生も
先生なんだから 甘えた気持ちで現場に
入らないでちゃんと自覚を持ちなさい」
と言われ めっちゃ緊張したのを覚えている
実習中は とにかく大変で 課題をこなしたり勉強したりで 睡眠時間がほとんど
とれないことも あったけど 初めて「先生~」
って呼ばれ時の くすぐったい気持ちは
今も 忘れられない・・
そして 私は 本当の先生に なった。
一年目は とにかく毎日を 精一杯こなして
いくことばかりだったけど 小さな子ども達と
過ごせる毎日は 嬉しく 楽しかった。
もちろん 大切な命を預からせて
頂くのだからその緊張感は 計り知れない
ものだけど その緊張感も 嬉しかった
その責任感にも やる気を促された
2年目からは 楽しんで保育する余裕も
出て来て 毎日 子ども達と泥だらけに
なったり 絵の具にまみれたり
笑ったり 唄ったり はしゃいだり 走ったり
抱きしめたり 抱きつかれたり・・
夢みた保育士は 想像よりずっと楽しかった
ずっと 保育士を 続けるんだ。
そう思っていた。
なのに 私は 数年後 そんな子ども達の
小さな手を自ら 離して 先生を 辞めた。
プライベートでの ある出来事を きっかけに
心に ぽっかり穴があいた私は 笑顔は
おろか 作り笑顔も 出来なくなってしまった
保育士として大事な笑顔・・
子ども達の前では 常に笑顔で.. という
絶対条件が 私には出来なくなり
それでも 笑顔を心掛けていたはずなのに
ある日 ひとりの子どもに
「先生 どうして 泣いてるの?悲しいの?」
と 言われた...
でも その時 私は泣いてなんて いなかった。
多分子ども達の瞳には
作り笑顔を繰り返し明らかに心なく
子ども達に 接する私の姿は
泣いているように 見えたのだろう
「え?先生 泣いてないよ」って 答えながら
私は 初めて 卒園式以外で
子ども達の前で 泣いてしまった。
ただただ 情けなくて涙がボロボロこぼれた
笑顔には なれない。
子ども達の前で 泣く。
やっては いけないことをやってしまった
ただ 情けなくて
保育士の自覚を持てなかった私は
その年度が 終了すると同時に 辞めた。
しばらくして他の仕事を してみても
何で 私は この仕事を しているんだろう?
あんなに勉強し夢みた保育士になったのに
何で 辞めたんだろう?
何でプライベートを仕事に 持ち込んで
泣いたりしたんだろう?
何で もっと 自覚を持てなかったんだろう?
何で 気持ちを切り替えれなかったんだろう
何で 頑張れなかったんだろう・・
もう一度 保育士をしたい
そう思う私が いる反面で また 自覚も
持てない先生だったら 子ども達に
迷惑が かかる・・ しかもブランクもある
今の私が 保育の現場に 立てるのか?
考えては悩み 悩んでは 凹み そして 泣く。
辞めた 弱虫の 自分に..
いつまでも 何も出来ず立ち止まったままの
自分に嫌気がさして 泣く。
夜が 怖くて 今の自分がダメダメ人間で
苦しくなる・・ 怖くて 動けない・・
そんな毎日で 死んだように 生きていた
そんな時 私は 誰にも言えずにいたこの話を
聞いて欲しい って 思える人に 出会った。
でも いざとなると その話を 中々出来ずに
数ヶ月が 過ぎてしまった。
それでも やっぱり その人に 聞いて欲しくて
打ち明けた・・
そして・・
私は一歩 踏み出す 勇気を もらった。
優しく背中を押して もらい立ち上がれた。
何より 嬉しかった・・嬉しいのは
「出来るよ」って 言ってもらえたこと・・
私なんか ダメダメ人間なんだって
思っていたのに「出来るから」って
優しく言われ 体中の毒が
サーッと流れて いくようだった。
心に ふわっ と 優しい風が 吹いた・・
そして 大人に なって「出来るよ」なんて
優しい言葉かけてもらえるなんて
嬉しくて泣いた・・
今も 時々 立ち尽くす私は 支えてもらい
優しく 励まされながら
ほんの ちょっぴりだけど 一歩 二歩...
進めていると 思っている..
また 「先生~」って 呼ばれる日が
来るのかな・・
私なんかでも 人の役に たてるかな・・
また 本当の笑顔で 大好きな 保育士の
仕事が 出来るのかな・・
いろんな 思いは まだまだあるけど
今は ひたすら 頑張りたいと 思っている。
自分自身の為に・・
背中を押してくれた あなたの 優しさに・・
そして 今の この気持ちを 嘘で
終わらせないように・・
しっかり 歩くんだ。
頑張るから 見ていてね・・・