湖音 ヘッダー・2021-01-23
湖音
消えかけの夢
もうすぐ去るこの世界に、
少しだけ、希望を抱いてしまったんだ。
朝目が覚めると、
激しい頭痛に襲われる。
今日は何を忘れてしまうのか。
そんな恐怖が頭を突き抜ける。
大丈夫と自分を落ち着かせ、
そして今日も息をする。
生きてほしいなんて、
無責任にも程があるよな。
「ありがとう」
大切な人達へ
「生きてください」
無責任な願い事
"誰かの為"に生きられたら
俺が死んだら、どんな反応するんだろうか。
嘘だと言うのか、悲しんでくれるのか。
わからないけれど、興味はある。
けれど、それを見ることは出来ない。
明日、死んでいるかもしれない。
なんとなく体調悪いと思ってたって、
病院へ行かなかった俺が悪い。
だから手遅れ。
結局どう伝えれば良いのかわからなくて、
何も伝えていない。
言ってもアイツは傷付くし、
言わなくたって傷つく。
傷つけない方法は無くて、
無い方法を探し続けてる。
もうすぐ終わる。
もうすぐ消える命の灯火。
誰かのことを救えたかな。
生きる意味を無くしてしまえば、
もうここにいる意味なんて無い。
最期の最後まで笑顔でいれるように
桜が散るように、
美しく命を枯らせたら、
どれだけ良いのか
今を生きる大切な人たちには、「忘れないで」
今はいない大切な人たちには、「会いに逝くよ」
言葉は違うけれど、みんなが大好きなのは変わらない
自分の我が儘のせいで人を巻き込んで嘘をついてたと思うと、
何故だかすごく苦しくなる。
どう頑張ったって、元通りにはならなくてさ
今もまだ残ってる温かい手の感触。
いつまで経ってもアイツを忘れられないのは、
きっと俺だけだろう
この空で繋がっていたって、
直接会えないと寂しいよ。
彩華姉さん
[お疲れ様]って
言ってほしかったよ
いくら空に手を伸ばそうと、
失ったものは帰っては来なくて