STK・2025-07-06
私の中の住人が言う
いいか。
音の正体を掴むんだ。
自分は飛べると信じるんだ。
追い風に乗れ。
タイミングは、
そよぐ葉が教えてくれるさ。
心配なら、私も隣にいよう。
自転車の補助輪のように。
どこへ、行ったのでしょうね。
追い風に乗り、
どこか、遠くの街へ、
行ったのでしょうか。
向かい風の日も、ありましょうね。
まぁ、元気でさえいてくれたなら、
立ち止まることも、
後ろを振り返ることも、
構わないんですけどね。
また、会えるかしらね。
返事のない日も、ありましょう。
優しさが痛い日も、ありましょう。
涙ばかりが零れる日も、ありましょう。
悔しさに掴まれる日も、ありましょう。
自分を責めてしまう日も、ありましょう。
心は、
想いを食べて成長します。
何か ばっかりの、
偏食は、良くありません(笑)
こんな日も、たまにはあるか。
で、生きましょう。
夜に降り立っても、
なぁんにも見えないし、
なぁんにも落ちちゃいないよ。
微かに浮かんでるものがあるとしたら、
みんなが見る、
夢ぐらいなものさ。
さぁさ、
もういいだろ。
子供は寝る時間だよ。
行った、行った。
ベッドが、お待ちかねだ。
誰かと上手くやるのは、
どうも苦手で、
もう諦めてしまいました。
けれども自分とは、
上を向いたり、
下を向いたりしながら、
上手くではなく、
飽きることなく、
やっていきたいですね。
笑えないの?
じゃあ、今は僕が笑ってるね。
笑えるようになったら、
一緒に笑おうね。
誰かに、
名前は?と聞かれれば、
私の両親が、
付けてくれた名を、伝えるでしょう。
性格は?と聞かれれば、
私が出会ってきた、
数々の人たちの話から、
しなければなりません。
血液型は?と聞かれれば、
あなた様には、
輸血できない血ですと、
答えるでしょう。
私は、このような人間です。
気にしないでください。
悲しくて泣いたのでしょ。
早々に立ち直れる魔法の言葉など、
あってたまるものですか。
私の大切な人が、
傷付いていないとみなされるなど、
私は、許しませんよ。
それでもね、
時間という魔法なら、存在します。
唱えないのに、寄り添ってくれる、
不思議な魔法です。
時は、行ったか。
もっと
駄々をこねるかと思っていたが。
泣く暇を、
与えてくれるとはな。
そちらの色で、
愛だの、恋だの、
決めつけるのは、よしてください。
想い、そのものが、
なんだか狭くなってしまうわ。
「あなた、
何万回と、ここで会っているのに、
私の名前も聞かないのね。」
『…今さら、聞く必要ないだろ。
この時間になれば、
あんたが来ることは、
相場が決まっている。』
「あら。分からないわよ。
明日は、
私じゃないのが来るかもしれないわ。」
『それは、あり得ないね。
もう一度、言おうか。
俺の隣は、あなたと決まっている。』
「フフッ。
いつになく真剣な顔をして、
思わず笑っちゃったじゃない。
そうやって、何人もの人に、
このままがいいと言わせてきたのね。
どんな手を使ってきたのかしら。
とんだ、人タラシだわ。」
『人聞きの悪いこと、
言わないでくれよ。
俺は何にも言ってねぇよ。
ただ人間たちが、勝手に、
俺の中にいたいって、
このままがいいって、
言ってるだけだよ。
まぁ、モテるところが辛いかな、俺の(笑)』
「呆れた。
悪びれた様子もなく、
何を言ってるのかしら。」
『自分が好かれてないからって、
ひどい言い草だな。』
「失礼ね!
私の美貌が美しすぎて、目が眩むから、
来ないでと、言われてるだけよ。」
『アッハッハッハッ。
あんたの自意識過剰も、
大したもんだな。
まっ、これから先も、
何万回と会うだろうから、
よろしく頼むよ、朝。』
「どうした?
怖いなら、
来た道を戻っても、構わないんだぞ。
誰も責めはしない。」
『ううん。
僕は戻らないよ。
来た道なら、どんなか知ってるもん。
だから、
少しずつでも、進んで行くよ。』
「フンッ。
そんなことが言えるとは、
少しは強くなったんだな。」
夜が私を呼ぶものですから、
少々、長居してしまいました。
昨日の夜は、苦手な方でしたね。
過去の失敗や後悔、恐怖を、
私の前に広げて見せるんですよ。
私が目を背けるのを、
楽しんでいるんですよ。
タチが悪い。
思い出しただけでも、腹が立ちますね。
大人、大人、大人。
「なぁ。
比べるのは良くないって、よく聞くじゃん。」
『うん。結構聞くねぇ。』
「でもさ、たまには必要なんじゃないかって、
この前思ってさ。」
『ん?なんで?』
「どんなに凄くても、
あんな風にはなりたくない。って人、
たまにいない?」
『……ん~いるねぇ、いるいる。
かわいそうな強さを持った人。
あっ、オレの場合はね。』
「うん。
だからさ、こういうのは、
比べるとは言わないのかな。
反面教師?
みたいなもんで使やいいのにな。」
『あぁ。確かに、
そういう感じなら、必要かもしれないね。
それを、幸せをはかる道具にしちゃうから、
人間は辛いのかもしれないね。』
「俺たちには、無い感覚だよな。」
『はは。そうだな。
オレも、お前も、
人間たちとは、別物だもんな。』
夜の文脈は、
淋しいものになりがちだわ。
星や月、
波や風の音、
美しいものはあるけれど、
儚さには、
敵わないのかしら。