STK・2025-06-20
私の中の住人が言う
独り言
どこへ、行ったのでしょうね。
追い風に乗り、
どこか、遠くの街へ、
行ったのでしょうか。
向かい風の日も、ありましょうね。
まぁ、元気でさえいてくれたなら、
立ち止まることも、
後ろを振り返ることも、
構わないんですけどね。
また、会えるかしらね。
夜に降り立っても、
なぁんにも見えないし、
なぁんにも落ちちゃいないよ。
微かに浮かんでるものがあるとしたら、
みんなが見る、
夢ぐらいなものさ。
さぁさ、
もういいだろ。
子供は寝る時間だよ。
行った、行った。
ベッドが、お待ちかねだ。
誰かと上手くやるのは、
どうも苦手で、
もう諦めてしまいました。
けれども自分とは、
上を向いたり、
下を向いたりしながら、
上手くではなく、
飽きることなく、
やっていきたいですね。
言葉の矢を引くのは、
我の為か。
そなたの為か。
考える暇もなく、
矢が放たれる時もある。
その時は、
誠意を尽くし、弁解いたせ。
笑えないの?
じゃあ、今は僕が笑ってるね。
笑えるようになったら、
一緒に笑おうね。
誰かに、
名前は?と聞かれれば、
私の両親が、
付けてくれた名を、伝えるでしょう。
性格は?と聞かれれば、
私が出会ってきた、
数々の人たちの話から、
しなければなりません。
血液型は?と聞かれれば、
あなた様には、
輸血できない血ですと、
答えるでしょう。
私は、このような人間です。
気にしないでください。
悲しくて泣いたのでしょ。
早々に立ち直れる魔法の言葉など、
あってたまるものですか。
私の大切な人が、
傷付いていないとみなされるなど、
私は、許しませんよ。
それでもね、
時間という魔法なら、存在します。
唱えないのに、寄り添ってくれる、
不思議な魔法です。
とても、キレイな色をしていたよ。
もう、どんな色だったかは、
忘れてしまったけど、
キレイな色だったっていう、
記憶はあるよ。
覚えてないことを、
悲しくないといえば、ウソに鳴るけど。
寂しくないといえば、ウソに鳴るけど。
覚えていても、
きれいに補正してるだけかもしれないから、
これでよかったと思ってるよ。
時は、行ったか。
もっと
駄々をこねるかと思っていたが。
泣く暇を、
与えてくれるとはな。
そちらの色で、
愛だの、恋だの、
決めつけるのは、よしてください。
想い、そのものが、
なんだか狭くなってしまうわ。
やがて、
消えてしまうだろうね。
今日見た景色は、
お前さんの瞳の奥に。
これから先は、
その景色を、
お前さんの心で観るんだ。
思い出とやらは、
少しずつね、
ゆっくりと増えていくよ。
本当のことなんて、
言えるわけないじゃんか。
言ったら、キミは絶対泣くでしょ。
キミが泣くのは、
自分が消えちゃうことよりも、
ずっと、嫌なことなんだもん。
どこへ落ち着くとも知れず光が、
あちらへ ふらふら。
こちらへ ふらふら。
目に止まる全ての人の心を奪い、
波風を立て、
集中力を削ぎ落とす。
「はぁ。
恋とは、こうも厄介だったか。」
「どうした?
怖いなら、
来た道を戻っても、構わないんだぞ。
誰も責めはしない。」
『ううん。
僕は戻らないよ。
来た道なら、どんなか知ってるもん。
だから、
少しずつでも、進んで行くよ。』
「フンッ。
そんなことが言えるとは、
少しは強くなったんだな。」
「なぁ。
比べるのは良くないって、よく聞くじゃん。」
『うん。結構聞くねぇ。』
「でもさ、たまには必要なんじゃないかって、
この前思ってさ。」
『ん?なんで?』
「どんなに凄くても、
あんな風にはなりたくない。って人、
たまにいない?」
『……ん~いるねぇ、いるいる。
かわいそうな強さを持った人。
あっ、オレの場合はね。』
「うん。
だからさ、こういうのは、
比べるとは言わないのかな。
反面教師?
みたいなもんで使やいいのにな。」
『あぁ。確かに、
そういう感じなら、必要かもしれないね。
それを、幸せをはかる道具にしちゃうから、
人間は辛いのかもしれないね。』
「俺たちには、無い感覚だよな。」
『はは。そうだな。
オレも、お前も、
人間たちとは、別物だもんな。』