#秋雨

秋風に揺られて

視界の隅の波も揺らいだ。


秋雨に降られて

遠く向こうから虹がかかった。

　冷たくなった風の中、
　秋雨で落ちた紅葉の上で
　君とまた新しい季節を＿

水溜まりに足を突っ込んで
慌てて足をあげる
(あーあ、やっちゃった)なんて
一人ため息をつく

不意に背後からキミの声がした

水溜まりに足を突っ込んで
慌てて足をあげる
「あーあ、やっちゃった」なんて
皆で騒いでる

ひとりぼっち、なんとなく虚しくて
空を仰ぐ私に声をかけた
「◯◯さんもそういうとこあるんだな」
なんて、楽しそうにしちゃってさ

友だちの和に入って歩くキミの
歩幅の広い足跡を
こっそり上書きしながら歩いた

《晩秋》




あと少しで

十二月。



紅や黄に色づいた葉が

秋雨に降られ

いくつも濡れ落ちていた。



今朝は

懐かしい声を聴いて目が覚めた。


あまりにも

遠く離れてしまったけれど

元気にしているのだろうか。



あと少しで

十二月。



冬の訪れを空の向こうに感じて

一度だけ深く呼吸してから

私は車に戻った。