#空に囁いた片時を此処に

僕らが出逢ったあの日と同じく


別れを遂げる真昼にもまた


五月蝿い鳴き声に苛まれながら


眩しい晴天を眺めている。

『夜帷よどうかこのままで』詩




















愛しい君の手は暖かかった



こんなにも寒いのに
いつかはフキノトウが顔を出す。

今日もアスファルトを蹴って生きて
明日も数えきれないくらい葉が朽ちる
好きだと言えるのはいつだろうか。
愛がまた、
新しい恋の芽を出すのはいつだろうか
伸びるのを待って、まって、まって
待つだけの僕には何も出来ない。

こんなにも寒いのに
君の手は寒さをしらない花の様だ。

夜帷よどうか
僕の涙を隠しておくれ

暗夜の雲に隠れる三日月よ
どうか僕の事を照らさないでおくれ

こんなに弱虫な僕を
どうか責めないでおくれ、

窓越しの湿気で滲んだ夜空
｢好き｣
と指で伝う。

水で濡れた指先が
拭った涙に似ていた。

言葉に出来ない愛の言葉なら
次々に出てきてしまうのに

君に伝えられる言葉は一握り
自分の気持ちが悔しくて

藍色の空に嘘をついた
僕はこの世界から逃げるんだと

そんなことも出来ない僕を
どうか笑っておくれ。

指で伝った部分から見える三日月に
どうも今なら手が届きそうだった

…やめよう、って
踏みとどまった僕の運命

こうさせたのも
全部君のせい


｢好き｣の部分の上に
｢大｣を付けた。


｢ごめん。愛してる。｣













愛に焦がれて
愛に溺れて
愛に攫われて
愛に囚われて
愛に左右されて


願わくば
君に逢いに行くよ

『好きだよ』

そう呟く私の言葉

空にすっと

消えていった


返事はなくても

君はここにいるよね

貴方と私の想い出の色彩

空に描くは架空の夢物語

弱者見下ろす僕ら

今更涙、流しても

神様は許してくれないんだね

鏡に向かっては言えるんだけどな

なんで、

馬鹿だよねほんとに


「ごめん」

ねえ覚えてる?

何かあった時に

空を見上げるわたしの癖

きみが最初に気づいたんだよ

＃空に囁いた片時を此処に

→そらにささやいたかたときをここに

𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓊝𓄹𓄺𓂃𓂃


空とあなただけが知る本心を

此処に置くのもまた一興


［ 解釈自由 ／ 贈り物有 ］

哀も愛も
全部君が教えてくれた。

「男だから」

「女だから」より


『好きだから』で恋愛しろよ

あなたも見てるのかな
ふと見上げた空に奪われた瞳
あなたの心みたいに
寒空は澄み渡っていた
会えなくても
この一瞬を
あなたも感じてくれたなら＿＿

見えない糸があると言うなら

一時の幸せも感じれるという

深い静寂に満ち閉ざされて

幻想的な白に染まる世界が

近さとともに消えゆく霞と

その奥で手を伸ばす木々が

境の見えない曇りなき空の

舞い落ちる雫の軽やかさが


どうしようもなく美しくて

魅せられてただ本能のまま

めでたい門松も

それを毎年据えるたび

歳を重ねていく

たわわに実った南天を

幾つ数えただろうか