「万歳千唱」
RADWIMPS
濡れた瞳で明日を目指す意味を
僕は今でも探し続けてるよ
頬を冷たい何が伝っている
もう朝が来た事を窓からさす光で理解する
「おはよう」
「おはよう!!」
色んな人が今日が始まった事を知らせてくる
『おはよう』
「今日もお前は大人気だな」
『羨ましいからっていじんなよ』
朝からいじってくる友人を笑顔でかわす
人気なのは僕じゃなく
僕の努力の結果の賜物って事は誰も知らない
「見て、今日も来てるよ」
「よく来れるよね」
そんな言葉の先にはいつもアイツがいた
生きるのが下手くそな奴だと
横目に通り過ぎた
「ねえ、数学分からないとこあるから
教えてー!」
「私も!テスト近いから不安で」
「俺にも教えろよー」
『仕方ないなあ
でも今日は用事あるからまた今度』
「それなら仕方ないね!またあした!」
「ばいばーい」
『おう!またな!』
用事なんてない。ただ疲れただけ。
行く宛てもなくただ屋上へむかう
先客がいた
「あ!休みに来たの?」
『まあ。お前は?』
「ちょっとね!」
少し沈黙が続いた
気まずかった
「私さー、自分に嘘つく人嫌いなんだよね」
ふふっと声に出して笑っていた
背中が凍るようだった
まるで自分のことを言われているようで
『…そうなんだ』
「まあ、皆嘘つきだけどね!」
『ははは』
わざとらしく笑った
そうでもしないとその場が保てない様に感じた
「笑われたりしない事が君の生きるゴールなの?」
『は?』
「笑われてもビクともしないモノを
探していたんでしょ?」
言葉が出てこなかった
”友達とただ馬鹿みたいに笑いたかった″
″真剣に相談出来る友達が欲しかった”
”好きな事を好きなだけしたかった″
思い出せるかな
僕が今まで描いては路地裏にポイ捨てした
夢の数
「頭良いからって俺の事見下してたんだろ」
「俺の事本当は馬鹿って思ってたんだろ」
「お前なんか友達と思った事なんてねえよ」
なんて決めつけられた幼少期
好きで勉強頑張ったわけじゃない
好きで女の子に好かれたわけじゃない
騙されたりしないように生きるのに
少し疲れたよ
アンテナの傘もとうに
ボロボロになってしまったよ
あの日から僕は自分を殺していた
誰も気付きはしなかつた
それが逆に苦しかった
「自分を殺さなくていいんだよ」
頬に冷たい水がつたう
「君の中の悲しみに負けて
君の中の苦しみに押されてどうすんの」
なんて笑う目の前にいるやつは
生きるのが下手くそだと思っていた
とても勇敢な強く生きる者だった
「自分を救えるのは自分でしょ」
どんより雲がかかっていた空に
細く小さな光が僕の心を照らしていた
君の中のカナシミを喜ばせて
君の中のクルシミを勝ちほこらせて
なぁどうすんだよ おいどうすんだよ
その影に隠れ震える
笑顔の手を取れるのは君だけだろう
なんて歌う誰かもいたような___