#諦念

平行世界を思い描くのをやめて

どこへ行っても変われないよ

昔の僕は
悩み多き若者だった。

もう若いとは言えない年齢になって
今では「あきらめ」という
便利な言葉を知ったのだ。

若い頃の僕に伝えたい。

ねるねるねるねを練るのに
早いも遅いも
ないのだ
と。

僕はあの魔女と戦っていたつもりで
実はただ
懐柔されていた
だけだったの
かもしれない。

しかしもはや
どうでもいいのだ。
練って、色が変わって、
おいしければ…

泣きそうなのに泣けないから
泣きたくなるんだよ
｢所詮泣いたところで｣って
諦念が後をついてきて
涙の雫さえも吸い取ってしまうんだ

「期待しない方が楽」

なんて空っぽの笑みを浮かべる
そんなお前が酷く憎くて愛おしかった

見たくもない現実が透けて見えてしまう。