恋眼鏡・2019-08-20
ポエム
貴方の名前
こんなにもたくさんの人がいるのに
ここに貴方はいなくて
なのに貴方に替わる人はいなくて
貴方の名前を呼んでみるけれど
小さな呟きは夜空に融けていく
貴方の名前を呟くだけで
忘れようとしていた想い出も
消そうとした過去も
全部無駄になってしまう
それぐらい好きでした
もうすぐ終わる一年
無機質なスケジュール帳には彩りがない
秋くらいから出てきた貴方の名前
次のスケジュール帳には、もっと貴方の名前を書きたい
クラス替えの名簿を見て
貴方の名前がなかったと
わかった瞬間
凄く心がえぐられたよ
甘くて痛くて
飲み込めないほどの
初めての気持ちに
あなたの名前を付けよう
淡くて脆くて
溶けてしまいそうだ
やがて終わるのなら
私の命あげよう
涼君
何度も言うよ
涼君
涼君
涼君
会いたいよ
りょうがぁぁぁぁぁ
昔はなかったけれど
今では
貴方の名前を見ることさえも
照れてしまうの
行為をする時まで
役職呼びなんて嫌じゃない
そういう時くらいは名前で呼びたいし
別の私達でいたい
友達の口から貴方の名前が出てくるだけで
ドキッとしたよ
貴方の名前、
見てるだけでほわほわする
喉から出かけた言葉を、
続けそうになって、
慌てて消した…
そっと呟いた貴方の名前は
夜の空気に混じって溶けていった