1月の睦月・2019-06-03
因果関係
バタフライエフェクト
くそ持論
あの日の雨の一滴が今このときにどう影響するのか
あの日の涙の一滴が今このときにどう影響するのか
この世はミクロな因果関係で構成されている
あなたのその悲しみは私が作り出したのかもしれない
ある日、少年は知った
愛があるから憎しみが生まれる
希望があるから絶望が生まれる
嬉しさがあるから悲しみが生まれる
好意があるから嫌悪が生まれる
幸せがあるから不幸が生まれる
普通があるから差別が生まれる
日常を護ろうとするから戦争が起こる
信じるから裏切られる
存在するからいつか壊れる
生があるから死がある
これらは因果関係にあり
どう足掻いたところで引き離すことはできない
前者を背負った場合、必ず後者のリスクを背負わなければならない
これを知らずに背負ってしまうから人は苦しむのだ
いや、知っていたとしても苦しむことだろう
この事実を受け止めきれない少年はこう言った
「こんな世界なら滅んじゃえばいいのに」
何度もこの世界を恨んだ
ただ純粋に思うがままに生きることが許されず
誰かが傷つき、苦しみ、悲しみ、絶望し、死んでいく世界
これらを毎日繰り返しているというのに人はこれを「平和」と呼んだ
ありもしない平和が実現していると勘違いしている人々に少年はさらに絶望した
「なんでこんな世界を信じていたのだろう」
少年は次第に人々に、世界に対して心を閉ざしていった
そして少年は思いはじめた
虚無の世界があるとすればそこにはこの世界に訪れないであろう「平和」が存在している
誰も悲しまず苦しまず裏切られず絶望しないであろう世界
そんな世界を少年は願った
誰かが喜び、誰かが悲しむくらいなら
誰一人悲しまない世界の方が綺麗だと思ったからだ
練れば色が変わる…
単調な、因果関係の繰り返し…
僕はもう、子供のような新鮮な気持ちで
練ることはできないのだ。