大人になると
子どもの気持ち
わかっているつもりで
わからなくなる
それは過去を美化したり
過大、過小に評価したり
見栄を張ってしまったり
自信のなさが邪魔をするから。
こどもの頃と重ねているつもりで
重ねられていないことがほとんどだ
無条件に愛されたい
何が出来なくても
何か悪いことをしても
抱き締めてくれる
温もりが欲しい
小さな頃はそればかり
求めていた気がする
大人になって
曲がりなりに親となり
忙しない日々を送るうち
一番大切なその部分を
あちこちに置き去りにして
どうして
こんなことをするの
どうして
こんな簡単なことが出来ないの
そんな想いに
かられることもある
それは子を想う
親心故なんだけれど
あまりに過ぎるとあの子たちが
のびのび育てなくなって
私みたいに人の顔色をうかがって
暮らすようになってしまう
負の連鎖は続けちゃいけない
そういう育てられ方をしてきたから
仕方ないんじゃない
そういう育てられ方が嫌だったから
同じ事をしちゃいけないんだ
誰しも親にこうされて
嫌だったって過去がある
それは親も
完ぺきじゃないから。
もがいて唇かんであがきながら
それでもこどもを成して育てるから
どうしたって感情的になって
しまうこともあるんだろう
親と子は
とても強いきずなで
結ばれているけれど
その前に一人の人間だ
お父さんなのに
お母さんなのに
どうしてわかって
くれなかったの
私の子どもだから
わかってくれるはず
そんな考えは
一切捨ててみよう
私はあの子たちを
一人の人として
一人の人を愛したい
一人の人として
一人の人と分かち合いたい
だから私は必死に色のついていない
まっさらなこどもの頃の気持ちを思い出す
無条件に人を愛することは難しい
だって人は知らず知らずに
見返りを求めてしまう生き物だから。
それでも
大きなあの子が生まれたとき
小さなあの子を見た瞬間
心に沸き上がる愛しさは
無条件そのものだった。
ありがとうって
ただただそう思えた。
この子と生きていく
その事がただ
とても心強く思えた
私は世界一の幸せ者だ
って
大きな声で叫びたかった
そんな幸せを
教えてくれた子たちだから
私は必死にこどもの頃の
気持ちを思い出す
あの子たちが健やかに
育ってくれるようにと願いながら。
私は親なんだと
決しておごらないように。
そしてあの頃欲しかった温もりを
自家発電して、あの子たちに与えてく
これが正しいことなのか
それは私にもわからないけれど
大人になったあの子たちが
きっと判断してくれる
その日まで私は試行錯誤しながら
私なりにあの子たちを想っていきたい