今日、
ミサイルが青森上空を通過したとき、
私は学校のトイレにいた。
学校中にサイレンやアラートのすざましい音、
『〇〇が××…ました。生徒の皆さんは、今すぐ机の下に隠れなさい。』
という先生の声が聞こえてきた。
…そういえば今日、
避難訓練があるんだっけ。
先生こんな早くから予行練習か…
大変ですね(一言)でも、今までこんなふうに5分も10分も練習してたときあったかなぁー…?
…と思いながらトイレの鏡を見ながら髪をゆい直していた。
私はトイレから聞こえるぶんのアナウンスを少し聞いてみて
『机の下に隠れなさい』
…という言葉が聞こえたため、
地震の避難訓練前の放送テストだとばかり思っていた。
そしてトイレから出ると、サイレンの音は町の方から聞こえてきていることに気がついた。
…へぇー今日って町全体が合同で避難訓練だの防災だのの訓練が行われる日なんだー。うちの高校すげえな。役場の人もこんな朝早くからご苦労様です(一言)
…と思いながらトイレから出た。
その頃にはもう、サイレンもアラートも先生のアナウンスも聞こえてこなかった。
私がトイレを出て教室に戻ろうとしていると、友達が私の方に駆け寄ってきて『さっきのアラートやばかったよね。てか青森の近くを通過したみたいよ。』と言った。
私は彼女が何を言っているか全く理解ができずに『なんの話?』と訪ねた。
すると彼女は少し戸惑いながら『え?ミサイルの話だよ?北朝鮮の。』と言った。
…ゑ?
やっとすべてが繋がった。
先生の放送は、決して今日の避難訓練の予行練習ではなく、核ミサイルに関するアナウンスだった。
そして“町の防災訓練”の一貫だと思っていたサイレンやアラートは、“本物のJアラート”だったのだ。
全てを理解したのと同時に、
『平和ボケのし過ぎ』だと
私は彼女に呆れられて、心配された。
その日のアナウンスをした先生の授業では、
『俺もテンパってどんな指示を出せばいいのかわからなくてとりあえず“机の下に潜れ”と支持を出したけど、意味ないよな。地震の指示だったな。』と先生が言った。