#灰にさしたる花櫛の。

幸せになる方法も分からなくて、


自分が傷付くことだけを


やけに覚えてしまった。

顔も、声も、君の連絡先も、


端末に残ってるものなど無いのに


今も僕の心を蝕んでいる。

水がなくても育つなら

それはきっと愛じゃない。

私のことを好きになるはずないのに。




それでも、「好き」を止められないでいる。

そんな拙い恋をしたつもりはない。




本気で貴方を愛していた、

それだけの事。

夜が明けても、明けなくても、

私は君に逢いたいんだよ。

「好きな人いないの？」





言ったところで、

貴方を傷付けるだけなんだ。

これから始まる一日に手を掛ける。


朝の封を切るような感覚がした。

　恋　って言っても
￣￣

　愛　に来なかった君と、
￣￣

　哀　を知らなかった私。
￣￣



それと、　戀　煩いを隠す、
￣￣
　　　相　合を知らぬ差し傘。
￣￣

今日、流した涙だって

あのときの悲しみだって

いつかの傷さえ

幸せになるための伏線だから。

自分宛に「幸せ」が届かないとしても

それでも、私は生きて逝くから。

骨髄を染めていくのは

もう純粋な恋心じゃなかった。

何故だか分からないけど、

私が、君に魔法をかけられたんじゃなくて

どこからともなくやって来た

恋という名の魔法に

私も、君も、振り回されている気がしてる。

「好きです」



ただそれだけを伝えるのが

どれほど恐ろしいことか。

わたしが落ち込んだときは

置いていかずに寄り添ってくれて、

わたしが前向きなときは

「いってらっしゃい」と背中を押して

朝をプレゼントしてくれる。



そんな夜が、欲しかった。