智・2021-05-30
青春
朱夏
ここに夜明けは来ない
ソーダ味の
青い春
コーラ味の
朱い夏
未来が見えないのは
不安で暗いのではなく
明るくて眩しすぎるから
だから、あまいクッキーを好きになれないの。
知りたくない過去さえも、今のあなたを作っているのなら知りたいと思えるのは、好きという証拠だと私は思います。
きっと、夏は終わるし
きっと、夜は明けない
それでも子どもはいつか、大人になる
365日のうちの たった1日
会えなかっただけで寂しくて。
なぜか許せなくて。
だいっきらいな失恋ソングの主人公みたいね。
幻を見ているかのような
儚さに
焦りを覚えて手を伸ばした
しあわせも、くるしみも
長くは続かない
消えゆく想いでを
微睡みの中で
どこにも行ってしまわぬように
しっかりと握りしめていた
死ぬという結末に向かって
必死に生きる美しさ。
角砂糖がとけた紅茶は
あなたへの想いのように
甘く
ひとつぶの涙が
やけに丁度よかった
君がくれた夢
君と交した約束
全部、僕とふたりだけの
秘密
楽しみという気持ちで、しわを伸ばしたのに
くしゃっとなった心
生きている中で上手くいくことなんて
そんなに無い
友達が紡ぐミシン目のストーリーズは幸せそうで
乾いた唇は易々と血に道を譲った
社会の器から弾き出された、そんな感じ。
弾き出されたら、もう帰れない。
こぼれおちた液体を、戻せないのとおなじね。
動かなくなった人形に
紅のまがいものを添える