ほっぺ・2021-08-14
「記憶」に変わるその前に。
ほっぺ嫉妬
口づけを交わしたら
お互いを忘れよう
そしたら
記憶の片隅の
あなたと私は
過去の人に変わる
狂おしく愛し合い
凄まじく嫉妬に焦がれた
それもこの瞬間で
すべて終わるから
あの人の残り香が
あなたから漂ってきそう
あなたの笑顔を見るのでさえ
嫌になる
この笑顔であの人も
微笑むのだから
あなたの笑顔なんて見たくない
どうしようもなく
あの人が憎らしい
そんな自分が
途方もなく嫌い
脱ぎ散らした
服の花
あなたがシャワーを
浴びてる間に
あなたのシャツに
そっと香水を…
気づくでしょ
あの人なら
気づかせたいわ
あなたの側にも
私はいる
2人で夜明けを迎えたい
だなんて
あなたの眠る横顔を見れば
余計にあの人が浮かぶ
私の使わない
柔軟剤の香り
あの人の香り
あの人のことを
思い知らされるのは
使ったことのない
柔軟剤の香りが
あなたからする時
あなたの車の中に
あの人のカーディガンを
見つけた時
ふとした拍子に
あの人の愚痴を聞く時
あの人は確かに
あなたの側にいる
気まぐれな私だから
時々見せるあなたのせっかちなとこ
嫌いで意地悪したくなる
時間なんてなくていい
早く早くと急かさないでよ
あの人のところへなんか
帰さないから
あなたの口を塞いで
あなたの口から
ため息しか出なくさせてあげる
そんなにも見せつけたいの
彼女に微笑みながら
横目で私を見ないで
私にないものを持ってる
彼女と私を
比べさせないで
妄想だけで
惨めになる
彼女からのメッセージが
来たことをわからせるように
携帯を置くのはやめてよ
お互い大好きで
お互い愛おしくて
たくさん
愛を育んで
何度も
愛してるよ
呟いても
最後は
俺もだよ って
言ってくれなかったね
思ってたのは
私だけで
あなたが本当に
愛してたのは
1番側にいた
あの人ね
あなたが私には見せない顔を
あの人は知っているなんて
お前のすべてを
知っているからなんて
私があなたの一番の女みたいな
思わせぶり
やめてよ
それならあの人と
別れてみせてよ
あなたにも同じように
寂しい思いをさせてあげる
あの人は今
私のところにいます
会議だよと
仕事だよとあの人が言えば
私を抱きにくる
お前しか抱かない…
そんな嘘を平気でついて
首筋の跡も
隠しもしやしない
貴方が誰のものでも
誰といても
本能の炎には逆らえない
すべてこの炎で
焼き尽くして
貴方を独り占めしたい
貴方が好きという
私の中には
渦巻く愛憎
修羅の顔
あなたに跡を残し
今夜は
あの人に気づかせたい
嫉妬に狂う夜が
私にもあるように
あの人もそんな夜であって
欲しい
この炎で
焼き尽くしてしまえ
自身に巣作る
羞恥の醜い塊
隠しても
隠しても
湧き出る燃え尽きぬ
炎
向かうはただひとつ
私の知らない
あなたの微笑みを知る
ひとへ
思えば
思うほどに
広がりゆく
炎
どこまでも
青い空
憎らしいほど
両手を広げた
あなたに見える
そうやって
あの人には
今でも
いい人でいるのね