あの人との待ち合わせ時間の5時ちょうど。
少し日が長くなって、まだ辺りは明るい。
待ち合わせ場所の公園のブランコに腰掛け
プレゼントが入った部活バックを抱えるように
丸くなる。
ヒュウッとLINEの通知音
LINEを開くとあの人からメッセージ
『もうついた?』
「寒さに震えてる笑」
『いまいく』
急いでるのか、漢字に変換されてなくて、可愛い。
やっと会える。半年以上ぶりだ。
胸の高鳴りを抑え、目を閉じて息を吐く。
すると、さくさくと雪を踏む足音。
ゆっくりと顔をあげ、音のした方を見ると
『はむ。』
優しく笑うあの人がいた。
噂で髪を染めたと聞いていた。
あの人の髪は茶色く染められていて、
ショートだった髪は肩につくくらいの長さになっていた。
「髪、染めたんだ」
そっとあの人の髪に触れると、やっぱりあの人の髪だ。
『うん』
私はプレゼントを取り出す。
「遅くなってごめんね」
「まずこれがバレンタインと、クリスマスプレゼントね笑」
『……多くね?笑』
袋の中には力作のチョコブラウニーと、クッキーのようななにか。
そしてあの人が2番目に好きだというカバおくんとチーズのぬいぐるみ。
「カバおくんだけじゃ寂しいと思って笑」
『優し笑笑』
「それでこれが、誕生日プレゼント」
部活バックにやっと入った大本命のプレゼント。
アンパンマンのお菓子冷蔵庫。
創作期間4ヶ月。ずっと部屋に布をかけて置いてあったもの。
『でっか笑』
「むふふ、頑張ったからね」
『頑張った?つまり手作り?』
「あっ、言っちゃった笑」
2人で笑い合う。
あぁ、なんて久しぶり。なんという幸せ。
『なにでお返しすればいいか分かんないよ笑』
「うぅん、これは私からのお返しなの」
「一昨年の夏、〇〇から手作りのアルバムもらったときの、お返しだよ」
『にしてもでかすぎるよ笑 なにかほしいのある?』
あなたとの時間、なんて直接言える訳もなく。
母に催促され、あの人と話せた時間は10分。
それでも私は会えただけで大満足。
家に帰ってしばらくすると、あの人からLINEが
『プレゼントありがとうめっちゃすごくてびっくり笑』
『チョコレートと、クッキー?笑も美味しかった』
もちろんスクショして返信をする。
ありがとう、と。
そして最後に1行
「お返しはまた会って、今度こそ遊びに行こう」
すぐに既読がついて返信がくる
『うん、また時間あるとき遊ぼ!』
悶えました。ほんと可愛い。
あなたのためなら、いくらでも時間作りますよ。