リリリ୨୧* 。 ゚・16時間前
ヒロアカ夢
夢小説
リリリ夢小説2
ヒロアカ夢小説
お相手:心操人使
⚠ヒロアカ創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。
・捏造あり
昔の、話。
『僕の事、怖くないの?』
今覚えば、あの小さな手は震えていた気がする。
『怖くない。だってひと君、優しいもん。』
当たり前のように、私は答えた。
『ありがとう。今日も髪、やるよ。』
おいで、と控えめな笑顔な少年は、どんな髪型がいい、と尋ねる。
『可愛いやつ。あれ、二個の、ぶんぶんできるやつ!』
腕を回し、抽象的に表すも、少年はすぐに理解したようで、笑って答えた。
『ツインテールね。』
୨୧* 。 ゚
酷く香る消毒液の匂い。
枕に広がる灰色の長い髪を見つめながら、心操人使は小さくため息をついた。
横たわっている少女のぼう、っとしたように伏せた瞳には、空の色が広がっている。
少女の小さな口が、ゆっくりと開いた。
「退院、1週間後だって。」
口角の上がらない表情からは想像できないような明るい声が、少女の口から漏れた。
「うん。先生達には伝えたんだろ。」
ぶっきらぼうにも聞こえるような、素っ気ない返事が心操から返ってくる。
「うん。香山先生が、遅れた勉強は取り戻せるようにするって。」
彼女の口から、C組の担任の名前が出てくる。どうやら、もう既に会っていたらしい。
「俺の事は?あと、ヒーロー科の事。」
「言ったよ、どっちも。ひと君の事は、『青いわね~』って言われた。多分色々と勘違いされてる。」
二人は、幼稚園からの幼馴染である。
年少クラスからずっと一緒で、やはり絆も強いのか、心操の素っ気ない返事の仕方は特に気にしていないようだ。
「ヒーロー科の方は…特別に、編入試験ができないか上の方に相談する、って。」
特別に、か
小さく心操が呟く。
彼女がこの病室にいる理由は、入学式の前日に遡らなければ話せない。
『○月○日、連続誘拐監禁事件を引き起こしていた敵が、今朝、一酸化炭素中毒の状態で発見、逮捕されました。』
ニュースキャスターの声が、残酷に響く。
『側には、同じく一酸化炭素中毒の状態にある女子校生の姿があり、重体です。』
『警察によると、少女が危機を感じ個性を発動、その個性による影響で一酸化炭素中毒の症状が現れた、ということです。』
つまり要約すると、その女子高校生というのが彼女である。
夜の遅い時間に黒いワゴン車の中に連れ込まれ、そのまま敵の自宅に。
警察の見立て通り、危機を感じた彼女が個性を発動させたという訳だ。
この敵、かなり厄介で、任意で周りの背景と同化する個性を持っており、足音などはそのままだが、非常に協力な個性だった。
そのため、ヒーローの確保が遅れてしまっていたそう。
彼女の行動は、世間からも、警察やヒーロー達からも絶賛された。
『非常に勇気のある行動だ。』
と。
特に、被害者家族からは、沢山の感謝の言葉が彼女の父親に伝えられた。
彼女は眠ったままだったが。
そんな彼女が、先月に目を覚まし、現在の状態にある。
入学試験は受けたものの、雄英体育祭などの重要な行事には参加できず、活躍の場がなかった。
そのため、ミッドナイトこと香山眠が、特別に編入試験の準備をしてくれる、という事だ。
「個性の指導は、香山先生が直々に教えてくれるって。大丈夫かな、C組。」
「良かったじゃん。きっとアイツらも受け入れてくれる。そういう奴らだから。」
そっか、と少し嬉しそうに言う彼女に、心操も頷いた。
「ま、そういう事なら俺は帰る。お前の父さんにもよろしく言っといて。」
鞄を持ち、扉に手をかける。
「ういー」
気の抜けた返事をし、彼女はまたぼう、っとする事にした。
明日は何をしようか。
きっと心操は明日も来てくれる。
勉強は無理矢理させられるからあんまり好きじゃないけど、午後は小児科の子達と遊ぼう。
彼女の頭の中に、煙のように消えたり現れたりする考えが浮かぶ。
無表情だが、どこか明るい少女。
火所煙香。
それが彼女の名前だ。
ヒロアカ夢小説
お相手:回原旋
⚠ヒロアカ創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。
・捏造あり
「あ、入替。お前も好きなんだな、写真。」
はにかんだ貴方に声をかけられて
「俺は趣味がカメラでさー。」
初めての友達ができた。
୨୧* 。 ゚
雄英高校普通科1年D組 入替新
彼女と回原旋の出会いは、写真コンクールの展覧会だった。
コンクールで金賞を取った新は、気持ちが舞い上がり何度もそこに出向いていた。
そこで偶然出会ったのが、カメラという趣味を持つ、当時クラスメイトの回原だった。
『趣味が合う人間が仲良くなるのは早い』
誰が言ったかはしらないが、新はほとほとこれに同意する。
新には友達が今までいなかった。
だから、回原と経験全てが新しく感じる。
そんな彼女の新鮮な表情が、回原と新の壁を壊したのだ。
回原に言われ敬語を外した新は、彼の前ではいつも笑顔を見せるようになった。
いつしかお互い、名前で呼ぶようにもなった。
「ヒーローになりたいの。」
そう回原に言ったのはいつの時だっただろうか。
もう仲良くなって1年経った頃だった気がする。
新がそう言うと、回原はぱちくりと目を瞬かせ、小さく笑った。
「知らねえと思ってたん?」
はにかむように笑うのは回原の癖だ。
「分からない。」
そう一言だけ告げると、回原の表情は真剣になった。
「俺も、…まあ知ってっと思うけどヒーロー目指してんだよ。」
何度か聞いた事のある話に、コクリと頷く。
「雄英、受けようと思う。」
決意と情熱が混じった声で、回原が言った。
なんとなく分かっていた進路に、はい、と笑い、応援の意を示した。
「あー…のさ!新も受けねぇ?雄英」
「…え?」
突然の誘いに新は驚くが、それを無視して回原は続ける。
「俺、さ。新の個性は絶対伸びると思ってる。あー…ちょっと恥ずかしいんだけど、俺、新と将来ヒーローになって、事務所立ち上げたいな、とか思ってて…。」
顔を真っ赤にさせながら、衝撃の事実を口走る回原に、きょとん、としながらも、新は笑った。
「…実は、もともと考えてたの。…旋君のお陰で決心ついた。受けるよ、雄英。」
「…!おう!」
叶うはずもない夢を、この時は抱いていた。
結果から言おう。
一言で言うと、ボロボロだった。
まず、新の個性は生物以外には通用しない。それは場所であってもだ。
つまり、ロボットという時点で新には不利なのだ。
これを予想できていなかった訳ではない。
だから、普通科も予め受けていた。
本当に、その努力を自身の体力増加に活かせばよかった。
結局ズルズルと普通科の試験に、しかも好成績で合格。
皮肉にもほどがある。
「[そっか、普通科、合格したのか。]」
「[うん。普通科の入学式で代表の挨拶する事になったの。結構好成績だったんです、私。]」
その夜に来た回原の合格の電話。
苦笑いを浮かべながら、新は自身の結果を報告した。
「[…諦めるのか、ヒーローの夢。]」
『[…今回は私の努力不足でした。]』
『[私は、私の個性の事が分からない。]』
力ない笑いを浮かべる新は、今にも泣き出しそうな涙目だった。
『[でも、やっぱり諦めたくないんです。]』
「[うん。]」
優しい声色が、新の涙を誘う。
『[待ってて、くれませんか。私が旋君の隣に立てるまで。]』
『[私が、個性を上手く使えるようになるまで。]』
今まで、綺麗な夢だけ見て、きちんと自分の個性を見ようとしなかった。
それは、自分の責任だ。
「[新は、そう言うと思ってた。]」
「[応援する。俺にできることがあったら、言ってな。]」
ああ本当に、この人は優しすぎる。
今度は苦笑いなんか浮かべずに。
『はい!!』
୨୧* 。 ゚
「普通科1年D組の入替新…。なるほど個性が入れ替え、か…」
相澤消太が、校長の根津と向き合いながら話す。
「ああ!恐らくだけど、彼女の個性、個性も入れ替えられるんだよね!!」
根津がハイテンションになりながら、紅茶を一口飲む。
「それはつまり…壊理ちゃんの個性の指導ができる可能性がある、と?」
「ああ!!そういう事さ!だが一つ、彼女は自身が個性も入れ替る事ができる事に気づいていないのさ!」
コトリ、と、コップを机に置き、相澤を見つめた。
「そこでさ!彼を彼女の指導係に置いてみてはどうだい!?」
指導係の指導係とは、また変な…
と思ったが校長の考えは合理的だ。
「了解しました。一応確認しますが、彼というのは…」
「ああ!1年B組、物間寧人。彼だよ。」
彼女のヒーローアカデミアは、まだ始まったばかりだ。