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#リリリ夢小説2

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全2作品・

ヒロアカ夢小説


お相手:心操人使


⚠ヒロアカ創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

















昔の、話。


『僕の事、怖くないの?』


今覚えば、あの小さな手は震えていた気がする。


『怖くない。だってひと君、優しいもん。』


当たり前のように、私は答えた。


『ありがとう。今日も髪、やるよ。』


おいで、と控えめな笑顔な少年は、どんな髪型がいい、と尋ねる。


『可愛いやつ。あれ、二個の、ぶんぶんできるやつ!』


腕を回し、抽象的に表すも、少年はすぐに理解したようで、笑って答えた。


『ツインテールね。』



୨୧* 。 ゚


酷く香る消毒液の匂い。


枕に広がる灰色の長い髪を見つめながら、心操人使は小さくため息をついた。

横たわっている少女のぼう、っとしたように伏せた瞳には、空の色が広がっている。

少女の小さな口が、ゆっくりと開いた。


「退院、1週間後だって。」


口角の上がらない表情からは想像できないような明るい声が、少女の口から漏れた。


「うん。先生達には伝えたんだろ。」


ぶっきらぼうにも聞こえるような、素っ気ない返事が心操から返ってくる。


「うん。香山先生が、遅れた勉強は取り戻せるようにするって。」


彼女の口から、C組の担任の名前が出てくる。どうやら、もう既に会っていたらしい。


「俺の事は?あと、ヒーロー科の事。」


「言ったよ、どっちも。ひと君の事は、『青いわね~』って言われた。多分色々と勘違いされてる。」


二人は、幼稚園からの幼馴染である。

年少クラスからずっと一緒で、やはり絆も強いのか、心操の素っ気ない返事の仕方は特に気にしていないようだ。


「ヒーロー科の方は…特別に、編入試験ができないか上の方に相談する、って。」


特別に、か

小さく心操が呟く。


彼女がこの病室にいる理由は、入学式の前日に遡らなければ話せない。



『○月○日、連続誘拐監禁事件を引き起こしていた敵が、今朝、一酸化炭素中毒の状態で発見、逮捕されました。』


ニュースキャスターの声が、残酷に響く。


『側には、同じく一酸化炭素中毒の状態にある女子校生の姿があり、重体です。』


『警察によると、少女が危機を感じ個性を発動、その個性による影響で一酸化炭素中毒の症状が現れた、ということです。』


つまり要約すると、その女子高校生というのが彼女である。


夜の遅い時間に黒いワゴン車の中に連れ込まれ、そのまま敵の自宅に。

警察の見立て通り、危機を感じた彼女が個性を発動させたという訳だ。


この敵、かなり厄介で、任意で周りの背景と同化する個性を持っており、足音などはそのままだが、非常に協力な個性だった。

そのため、ヒーローの確保が遅れてしまっていたそう。


彼女の行動は、世間からも、警察やヒーロー達からも絶賛された。


『非常に勇気のある行動だ。』


と。


特に、被害者家族からは、沢山の感謝の言葉が彼女の父親に伝えられた。


彼女は眠ったままだったが。



そんな彼女が、先月に目を覚まし、現在の状態にある。


入学試験は受けたものの、雄英体育祭などの重要な行事には参加できず、活躍の場がなかった。

そのため、ミッドナイトこと香山眠が、特別に編入試験の準備をしてくれる、という事だ。


「個性の指導は、香山先生が直々に教えてくれるって。大丈夫かな、C組。」


「良かったじゃん。きっとアイツらも受け入れてくれる。そういう奴らだから。」


そっか、と少し嬉しそうに言う彼女に、心操も頷いた。


「ま、そういう事なら俺は帰る。お前の父さんにもよろしく言っといて。」


鞄を持ち、扉に手をかける。


「ういー」


気の抜けた返事をし、彼女はまたぼう、っとする事にした。


明日は何をしようか。


きっと心操は明日も来てくれる。


勉強は無理矢理させられるからあんまり好きじゃないけど、午後は小児科の子達と遊ぼう。


彼女の頭の中に、煙のように消えたり現れたりする考えが浮かぶ。


無表情だが、どこか明るい少女。


火所煙香。



それが彼女の名前だ。

リリリ୨୧* 。 ゚・16時間前
ヒロアカ夢
夢小説
リリリ夢小説2

ヒロアカ夢小説


お相手:回原旋


⚠ヒロアカ創作キャラが登場します。夢思考に理解のない方はここでバッグしてくだい。

・捏造あり

















「あ、入替。お前も好きなんだな、写真。」


はにかんだ貴方に声をかけられて


「俺は趣味がカメラでさー。」


初めての友達ができた。


୨୧* 。 ゚


雄英高校普通科1年D組 入替新


彼女と回原旋の出会いは、写真コンクールの展覧会だった。


コンクールで金賞を取った新は、気持ちが舞い上がり何度もそこに出向いていた。

そこで偶然出会ったのが、カメラという趣味を持つ、当時クラスメイトの回原だった。


『趣味が合う人間が仲良くなるのは早い』


誰が言ったかはしらないが、新はほとほとこれに同意する。


新には友達が今までいなかった。


だから、回原と経験全てが新しく感じる。

そんな彼女の新鮮な表情が、回原と新の壁を壊したのだ。


回原に言われ敬語を外した新は、彼の前ではいつも笑顔を見せるようになった。


いつしかお互い、名前で呼ぶようにもなった。



「ヒーローになりたいの。」


そう回原に言ったのはいつの時だっただろうか。

もう仲良くなって1年経った頃だった気がする。


新がそう言うと、回原はぱちくりと目を瞬かせ、小さく笑った。


「知らねえと思ってたん?」


はにかむように笑うのは回原の癖だ。


「分からない。」


そう一言だけ告げると、回原の表情は真剣になった。


「俺も、…まあ知ってっと思うけどヒーロー目指してんだよ。」


何度か聞いた事のある話に、コクリと頷く。


「雄英、受けようと思う。」


決意と情熱が混じった声で、回原が言った。

なんとなく分かっていた進路に、はい、と笑い、応援の意を示した。


「あー…のさ!新も受けねぇ?雄英」


「…え?」


突然の誘いに新は驚くが、それを無視して回原は続ける。


「俺、さ。新の個性は絶対伸びると思ってる。あー…ちょっと恥ずかしいんだけど、俺、新と将来ヒーローになって、事務所立ち上げたいな、とか思ってて…。」


顔を真っ赤にさせながら、衝撃の事実を口走る回原に、きょとん、としながらも、新は笑った。


「…実は、もともと考えてたの。…旋君のお陰で決心ついた。受けるよ、雄英。」


「…!おう!」


叶うはずもない夢を、この時は抱いていた。



結果から言おう。

一言で言うと、ボロボロだった。


まず、新の個性は生物以外には通用しない。それは場所であってもだ。

つまり、ロボットという時点で新には不利なのだ。


これを予想できていなかった訳ではない。

だから、普通科も予め受けていた。

本当に、その努力を自身の体力増加に活かせばよかった。


結局ズルズルと普通科の試験に、しかも好成績で合格。


皮肉にもほどがある。


「[そっか、普通科、合格したのか。]」


「[うん。普通科の入学式で代表の挨拶する事になったの。結構好成績だったんです、私。]」


その夜に来た回原の合格の電話。

苦笑いを浮かべながら、新は自身の結果を報告した。


「[…諦めるのか、ヒーローの夢。]」


『[…今回は私の努力不足でした。]』


『[私は、私の個性の事が分からない。]』


力ない笑いを浮かべる新は、今にも泣き出しそうな涙目だった。


『[でも、やっぱり諦めたくないんです。]』


「[うん。]」


優しい声色が、新の涙を誘う。


『[待ってて、くれませんか。私が旋君の隣に立てるまで。]』


『[私が、個性を上手く使えるようになるまで。]』


今まで、綺麗な夢だけ見て、きちんと自分の個性を見ようとしなかった。

それは、自分の責任だ。


「[新は、そう言うと思ってた。]」


「[応援する。俺にできることがあったら、言ってな。]」


ああ本当に、この人は優しすぎる。

今度は苦笑いなんか浮かべずに。


『はい!!』



୨୧* 。 ゚


「普通科1年D組の入替新…。なるほど個性が入れ替え、か…」


相澤消太が、校長の根津と向き合いながら話す。


「ああ!恐らくだけど、彼女の個性、個性も入れ替えられるんだよね!!」


根津がハイテンションになりながら、紅茶を一口飲む。


「それはつまり…壊理ちゃんの個性の指導ができる可能性がある、と?」


「ああ!!そういう事さ!だが一つ、彼女は自身が個性も入れ替る事ができる事に気づいていないのさ!」


コトリ、と、コップを机に置き、相澤を見つめた。


「そこでさ!彼を彼女の指導係に置いてみてはどうだい!?」


指導係の指導係とは、また変な…

と思ったが校長の考えは合理的だ。


「了解しました。一応確認しますが、彼というのは…」



「ああ!1年B組、物間寧人。彼だよ。」

彼女のヒーローアカデミアは、まだ始まったばかりだ。

リリリ୨୧* 。 ゚・6時間前
ヒロアカ夢
夢小説
リリリ夢小説2

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