#元ちとせ

或る日　指先が
絵日記をめくる

背表紙に描いた花が香る

それはあなたのふるさと
忘れえぬ原風景

思い出す横顔は
遠い目をしていました

えにしありて旅の空
黄昏模様

涙あればこそ　また
明日からの笑顔に出逢う

通り雨　歌う
ぬくもりの中で

守られていたあの日を想う
瞼の奥の父母

青の中の青い海

いつからかこの時を
心に決めていました

ネリヤカナヤヨ　ネリヤカナヤヨ
イモーリィーヨ　イモーリィー

えにしありて旅の空

訪ねし場所
眩き陽光の島
誘われし風の輝き

えにしありて眺めたる
朝焼けの色

命あればこそ　ああ
明日からのわたしに出逢う


元ちとせ「えにしありて」

奄美大島、群島に移住してみたいな
なんて夢があって

ウミガメが
産卵に訪れる白い砂浜
透明度の高いアマミブルーの海

紺碧の空は
時間を忘れて雲が流れ
太古の森のような原生林が広がる

なんせ
元ちとせさんや
城南海さんのような
語りべがいること

奄美にしかない
「奄美シマ唄」は
グィンと呼ばれる独特なコブシと
裏声(ファルセット)を使う
歌唱法で

神の存在を感じさせるほど
涙があふれ
魂が震えます

心の琴線に触れてみたい方は
ぜひ聴いてみて下さいね

とにかく温暖な気候で
シャングリラのような楽園

世界自然遺産で
場所を選ばない
素敵なところですよ

涙いくつ零れて
新月の夜 ひとつ海が生まれた

遠く紡いだ言葉
語りべたちの物語の中に
昔　誰かが ここで
張り裂けそうな胸をそっと開いた

歌に奏でてずっと
どんな場所にも携えてゆけるよ

消さないで あなたの中の

灯火は連なりいつしか
輝くから


語り継ぐことや伝えてゆくこと
時代のうねりを渡って行く舟

風光る 今日の日の空を
受け継いで それを明日に手渡して




指に 額に 髪に
あなたの向こう 垣間見える面影

もしも時の流れを
さかのぼれたら その人に出逢える

この世界 生まれてそして
与えられたあらゆる名前に
願いがある


愛しい笑顔に心動かして
嵐に揺らいで立ち止まる時も
守りたい すべてを捧げても
思いは力に姿を変えるから

語り継いで 伝えてゆくこと
時代のうねりを渡って行く舟

風光る 今日の日の空を
受け継いで それを明日に手渡して


元ちとせ「語り継ぐこと」

作詞：HUSSY_R
作曲：田鹿祐一

開けてちょうだい　叩くのはあたし
あっちの戸　こっちの戸
あたしは叩くの

怖がらないで見えないあたしを
誰にも見えない死んだ女の子を

あたしは死んだの　あのヒロシマで
あのヒロシマで　夏の朝に

あのときも七つ　いまでも七つ
死んだ子は決して大きくならないの

炎が飲んだ　あたしの髪の毛を
あたしの両手を　あたしの瞳を

あたしの身体はひと掴みの灰
冷たい風にさらわれていった灰

あなたにお願い　だけどあたしは
パンもお米も何も要らないの

甘いあめ玉もしゃぶれないの
紙きれみたいに燃えたあたしは

戸をタタクのはあたし　あたし
平和な世界に　どうかして頂戴

炎が子どもを焼かないように
甘いあめ玉がしゃぶれるように

炎が子どもを焼かないように
甘いあめ玉がしゃぶれるように



死んだ女の子
by 元ちとせ

※戦争で犠牲になるのはいつも女性や子ども、お年寄りですよね、皮肉にも核兵器廃絶は究極の理想ですが、核兵器で抑止力が保たれてるのも事実で、今回のウクライナ対ロシアの戦争は、中身はNATOの武器支援による代理戦争ですから、背後にはどうしても核兵器のパワーバランスがちらつくのよね

何故に陽炎はゆらめいて

黄泉(天国)へと誘う
澪標(みおつくし、水路標)か

遥か紺碧の空と海
すべてをのみ込むあの蒼さよ

還らぬ日の想いを
胸に抱く季節
儚き泡沫ような
運命のものたちも

果てしない輪廻(みち)を彷徨えるのなら
いつもずっとずっと傍にいてあげる

赤い花弁が落ちる瞬間
数多の生命が
誕生れ逝くの

幾千の歳月を
波が弄(もてあそ)ぶ
麗らかな陽の中で私も風になる

大空を花が埋め尽くすように
海をもっともっと抱きしめてあげる

やがてきっときっと永遠は
刹那に去って
だけどずっとずっと此処にいてあげる
⎯ただ風が吹いている


元ちとせ「いつか風になる日」

星もない暗闇で
さまよう二人がうたう歌