#前投稿の続き

｢どうして死なせてくれないの｣


止められたことに、少し苛立っていた。


｢だって……｣


｢あんたに、‪私の何が分かるのよ｣


君の言葉を遮り、思わず叫んでしまった。


何か言いたげな君に気づき、縮こまる。


｢……言ってなかったんだけど｣


そう言って君は話し始めた。


｢あの時……覚えてる？


君が、公園で病気の発作で蹲ったこと｣


君の声は、朽ち果てていた花に水をあげるように


過去の記憶を呼び覚ました。

｢あの時、君が突然蹲って、僕は正直怖かった。


君が、消えてしまうんじゃないかって思って。｣


君はゆっくり話し始めた。


その声は、いつもと違い、優しかった。


｢僕は君に『どうしたの』って尋ねた。


けど君は、答えられるほどの気力はなかった。


すぐ気を失い、倒れてしまったんだ。｣


ポツリ、ポツリと雨が降ってきた。


傘もないので濡れるままだが、気にならなかった。


｢僕は尋常じゃないほどの焦りを感じ、


近くを通った男の人に声をかけた。


『助けてください、女の子が倒れちゃった』って。


その人はすぐ駆けつけて、救急車を呼んでくれた。


その時君は既に重体で、直ぐに運ばれていった。


｢僕は帰って、親と病院へ行った。


君は意識が戻った。とても嬉しかった。｣


＿＿＿思い出した。


｢あの時男の人といたのは君だったんだ｣


君は、深く頷いた。


でも＿＿＿


｢それと今と、なんの関係があるの？｣


｢本題はここからなんだ｣


神妙な顔つきで君は言った。


｢実は｣


君は、絞り出すように言った。




｢僕も、その病気なんだ｣


❈

熊の次は狼。

襲うことしか頭にない。

ホッキョクオオカミだったらいいな。

雪が真っ赤に染まっちゃうね。

あの頃を覚えていますか？

私は今も貴方だけを

想っています

言葉にすることは大切

そんなことは知ってるけど

世の中に溢れかえってる

表の言葉たちを

信用していないから

感情のない言葉はいくらでも

吐き出せるのに

感情を乗せた言葉は

一言も話せない