雨は巡る
いつかの誰かの涙を連れて
雨は巡る
いつかの君の涙を連れて
雨は巡る
いつかの私のオモイを乗せて
------------- 実話 --------------
最近の夜の習慣は
寝る前に部屋の窓を開けて
空を眺めること
朝も昼もいつでも
空を見ているけれど
夜の空だけは
なにか雰囲気が違う
昨日は雨だった
基本的に雨の日は窓を開けずに
夜空を見ているけれど
昨日は開けた
ふと
どこかの本で読んだことがある
こんなセリフを思い出したからだ
『雨は巡っている
いつか誰かが流した涙が
君の上に降っているかもしれない
いつか君が流した涙も
君の上に降っているかもしれないね』
どうして思い出したかは分からない
けれど不意に頭に浮かんだのだ
すると雨が神秘的に感じた
美しく感じた
愛おしく感じた
雨はあまり好きじゃなかったけど
とっても好きになった
そして窓を開け
雨に打たれながらこう願った
《これ以上、涙を流す人が
増えませんように
私の大切な人たちが
泣かなくてもよくなりますように
私の大切な人たちが
苦しい思いをしなくて
よくなりますように
私の大切な人たちが
幸せになれますように
この世界に生きている全ての人に
幸運が訪れますように》
強く、強く、願った
途中で雨が凄く強まったけど
気にせずに暫くの間
私は夜空に語りかけていた_____。