#幻想と哀の二乗

報われない恋に恋して

叶わない夢に手を伸ばした

ずっと星は綺麗だったから

あなたの為だけに用意した

溶けかけのそれを頬張る私

消すべき恋と口に残る苦味

笑いながら、震えないように

軽く見えるように弱音を吐く

ひとり眺めた空も綺麗で

それが堪らなく嫌だった

何が欠けたって傍にいたいなら

私は心を捧げるしかなかった

奪われた夜明け

浪費した未来

君の笑顔は永遠に

良い夢をみたいと願っていたら

いつの間にか君に辿り着いたの

一つ嘘を噛み締めて

秘密を奇麗に彩るの

水溜まりに映る錆びた顔が

見苦しくてまた雨に打たれる

窮屈な世界を飛び出して

「やっと会えたね」泣いた私

呑気に笑った彼奴の瞳は

私の涙など見ていない

明日へ進む君と暫しのお別れ

"またいつか"の再会を夢見て

私の生でも誓ってしまえば

君は靡いてくれるだろうか

喉元で引っかかる言葉ひとつ

歩みを止めない君に贈れば

少しは気に留めてくれただろうか

美しく朗らかな皆の姫様

零時になっても解けない魔法

いつか巡り会う"誰か"を待つ日々