こんなお話、知っていますか?
七月七日の悲劇
昔、空の上の王国に織姫様と
彦星様がいらっしゃいました。
織姫様と彦星様は歳を取りません
だから、いつでもお若い姿なので
皆から注目されていました
そんなある日、織姫様は
人間の捨て子を見つけました。
小さな小さな命。織姫様は
その子がとても可哀想でした
なので、その子を『乙葉』
と名づけ育てることにしました
乙葉はすくすくと育ち
美人に成長し
織姫様と同い年ぐらい
になりました
乙葉は恩返しのためその王国で仕える者となりました。
乙葉はとても優秀です
後輩達からすごく感心されていました
そんなある日、乙葉は初めて
彦星様に会いました。
その瞬間、乙葉は彦星様に
一目惚れしてしまいました。
彦星様も乙葉に一目惚れ
してしまいました。
しかし、二人の恋は絶対に許されない恋だったのです。
人間と王族が結ばれることは絶対に許されなかったのです…
晴れた日でした。
今日は、六月七日
いつも通りの日でした
乙葉が仕事をしていると
こんな噂話が聞こえてきたのです
『ねぇねぇ聞いた?彦星様と織姫様結婚するんですって!』
その一言で乙葉は膝から崩れ落ちました
その日から、乙葉はずっと部屋に
閉じこもってしまいました。
年月がたち、七月七日 七夕の日
彦星様と織姫様の子供が
生まれました。
その知らせを聞いた乙葉は
ついに自殺してしまいました。
彦星様は嘆き悲しみました。
それからというもの
彦星様は自分の子供と妻を心から
愛せないまま、ついに
死んでしまいました。
最後に、彦星様に織姫様は泣きながら言いました。
『来世では、乙葉と幸せに暮らして下さいね』
織姫様は彦星様の気持ちも
乙葉の気持ちも知っていたのです
どうでしたか?
悲しい悲しい結ばれない恋
七月七日にはこんな悲劇があったのですね。
きっと今頃、彦星と乙葉は
幸せに暮らしているでしょうね…