☀︎たぬたぬ❍* ︎・1日前
第40話''虚しさよりも重いもの''
特殊と別称と使命と。
私の顔は面で覆われている
顔が見えない
興味があってもおかしくない
だが、彼に面を外される訳にはいかない理由がある
そしてもう一つ、私の顔は_
私の顔を見た剣士は皆_
苗字からついた別称
呼び名
あだ名
要は_____。
私利私欲
私の顔は
人様に晒せるような
大したものじゃないんです
彼に私の素顔を見られたら_
彼のもう片方の手が私の面をしっかり掴んだ
ああぁ、どうしましょうっ...!
困惑
逃げ場がない
大したことないなら_
彼は私の面を手に取った_
勢いよく引っ張られたお面は_
結んでいた紐がスルスルと解け
カランカランと
乾いた木の音をさせて床に転がった
乾いた木の音
即座に両手で顔を隠す
私を横に倒し
体を跨いだ男
手首を強く掴んだ
引き剥がされてしまう
近いし怖いし近いし怖い
色々な意味で半泣き状態
せめて目だけは隠そうと
目を閉じて目付近に力を入れた
次回_''時が止まった様に''
彼らは少女の顔を目にした
そして彼らは_____________。
少女は知っている
二人に顔を見られるということは_
面の男は思い出すのだ
少女の顔を_
急に静かになったので恐る恐る目を開ける
二人とも見事なくらいに止まっている
そう、私の顔を見て止まっている
_だ、だから嫌だったんですよ!!
何とも言えない感情
私は大声をあげて顔を隠した
皆、私を''かぐや姫''と呼ぶ
実際に会うと皆黙り込んでしまう
黙り込まない者は居なかった
再び時が動き出したかのように
嗣和さんと面の男が動き出す
只只、かぐや姫さんに申し訳無い気持ちだった
こんなに酷いのに尊い名前を借りてしまって
要は名前負け。
与えられた別称
自分に合った別称
私の場合は与えられた別称に名前負けしている。
かぐや姫さんの顔を思い浮かべるのも、そう無理ない
比べ
かぐや姫さんのような
顔立ち
黒い黒髪
神々しい雰囲気
誰かの心を揺さぶるような美しさ
私はそれらの類とは無縁
かぐや姫という別称を付けられ
対面しては黙られる行為は
気にしない様にしていても
虚しくなる
でも、虚しさよりも重いのは
申し訳ないという気持ちだ
かぐや姫さんの格が駄々落ちです
本当に申し訳ないです...
_ふと顔を上げると...
次回_''少年は思い出す''
悪神
悪神のいる世界
悪神のいる世界で
刃を振るう
共に戦う仲間
夜兎琉華
蕭霧嗣和
紫の男の子と顔に面を覆った男
名前
特殊
特殊な人間
特殊な刀
狙うは透き通る世界で透き通る刃で
別称
名前にある別称
呼び名
「かぐや姫」
かぐや姫
かぐや姫を見た剣士達の反応は……
__いつも同じ。
使命
彼女の使命とは……
彼女の抱いた人生
一人で抱え込む
彼等が出来ること
_有るだろうか
彼女の使命は
誰も知らない_
匂い
月
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