#摩天楼

君は今、

きっとどうしようもなく辛いのだろう


誰からも愛されないことが

怖くて、不安で、堪らなくて、

もしかしたら

死にたいなんて思っているのかもしれない


だけどどうか忘れないでいて欲しい


たとえ君が愛されなくても、

君は誰かを愛することができる人だ

水の跡を、指でなぞるように辿る。

何処に行くんだろう。


空の青は、海の青を映しているのかな。

それとも、

海の青が、空の青を映しているのかな。


この涙の跡を、指で這うように辿ったら

何処に行けるんだろう。

ちゃんと好きって言って。

ねぇ、そんな流した目で見ないでよ


ちゃんと嫌いって突き放して。

ねぇ、そんな透かした目で見ないでよ


もっとぐちゃぐちゃに汚していいよ。

本当、釣れない人。

摩天楼に耀く無数の光の中

銀河に流れて星はきらめく

憧れた都会に君は沈みゆく

もう君のことが思い出せない


空白に侵食されて

侵食されるままで


もう、夢に喰われた君のことが

思い出せない

思い出せない


君は、誰なの

都会に埋もれていく

君の面影も

君との記憶も

傾きかけた摩天楼に

虚ろになりながら

揺らめく想いを秘めて

摩天楼を炙る黄昏に魅とれ
我が身を忘れるほど
無情の風が吹き荒ぶ
虚しさや切なさを抱え
人はあえなく最期を遂げる