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#春喰う僕

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全5作品・

「雨桜」






































彼に初めて会ったのは
桜の咲く暖かな季節だった。
あいにくその日は雨で
雨の匂いに包まれた一日だった。



















彼は周りの人から
「雨男」と言われていた。
大事な日に限って雨が降る
なんともツイてない人だと言われていた。
天気でその人の運を左右するなんて、と
よく分からない疑問を抱えていた。



















彼は「春が好きだ」と言った。
「桜が綺麗だから」と理由も添えて。
春は良い季節だ。
綺麗な花がたくさん咲いて
暖かい気温がなんとも落ち着く。
のどかでなんとも眠たくなる。




















彼は「夏も好きだ」と言った。
夏も暖かいから好きだと言った。
夏は自分は好きではない。
暑苦しくてたまらないからだ。
だけれどその分、いいことも沢山ある。
澄み渡る青い青い空に
緑で覆われた森林
「もういいよ」ともなる蝉の声
少しだけ涼しければ好きだなあと。



















彼は「秋は微妙」と言った。
どうして?と聞き返すと
特に理由はないと首を振った。
秋は好きだ。
真っ赤に染まる紅葉に
たくさんの葉をつけた銀杏。
空を舞う赤とんぼ。
夕暮れが映えて美しい。
どうして微妙なんだろうと
これは一生分からないだろう。





















彼は「冬は嫌い」と言った。
「寒いのは好きじゃないから」と。
暑いのも、寒いのも
やはり好き嫌いはある。
そうなんだ、と頷いたけれど
ここから会話が進むことは無かった。




























彼は「嫌いなことがある」と言った。
何が嫌いなんだい?と聞き返した。
彼は頷きも、首を振りもせず
口を固く閉ざしたままこちらを向いた。
「あなたのことです」
彼はこういって視界から消えた。

























彼は居なくなった。












































あれから何度息を吸っただろう。
いくら指があっても足りないような
年月を過ぎてアスファルトに立っている。














桜が咲く季節になった。
あいにく今日は雨だった。
葉に水が滴るのを見て
何かを思い出せそうな気がしたけれど
一度深呼吸をしたら忘れてしまった。














































彼は「雨が好きだ」と言った。
「何かを思い出せそうだから」と。
雨の匂いに包まれて
桜の花びらが1枚落ちた。

柳瀬 櫂理/低浮上・2022-03-12
雨の日の彼
春喰う僕
瞳の裏側には。
呼吸すら呪って
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短編小説
どんな未来が待とうとも

卒業式は終わったのに

君への想いは終わってくれない


今日が終わって明日が来れば

私と君を繋ぐものなどひとつも無いのに

檸薇 楼惟.・2022-03-12
春喰う僕
別れの悪魔が舞い降りる
時計の針が動く頃
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好きな人
卒業
今までありがとう
またいつか何処かで
どんな未来が待とうとも
独り言

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# 春喰う僕

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使用、解釈自由

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春を別れの季節と呼ぶのなら

僕は春そのものを喰らうだろう

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a・2022-03-12
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春喰う僕

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