#普遍の優しさ

自然の美しさや壮大さに触れるたび

私の小ささを知る

空を青にした理由を神様に聞いてみたい

幼少期に抱いた穢れなき疑問が

頭のなかを木霊する

花霞に漂う優しい記憶

桜のような君は

行く春に愛惜の情を滲ませていた

大切な甘い記憶さえも

遠く切なく感じてしまう

甘味を齧った瞬間の幸福が

ずっと続けばいいのに

春霞は哀しそうに泣いていた

憂苦を感じて幸せを乞う君のように

君をずっと探していたんだ

お腹すいたね

早くおうちに帰ろう

渓谷に棲む精霊たちが

涼やかな眼差しで僕に微笑みかける

ゆく道は輝きと共に未来を明るく照らしていた

水辺に揺蕩う哀しみは

長い年月を経てゆっくりと治癒する

人生の回想録と共に

春の夜空に潤む輝き

愛を散りばめたような美しい光に

僕の心は泣きそうでした

眼前に色づく景色は

記憶の底に淡く消えてしまう

美しい青が魂に直に触れた時

朧な世界はあざやかに彩られるだろう

偽りの喜怒哀楽が感情と共に浮遊する

神が創る楽園は春愁を残して

緩やかに朽ちてゆく

ひとひらの優しさが輝く時

満たされた胸は弱者を安らかに眠らせる