本を読む貴方の隣で勉強する私
集中力はそんなに続かない方で
ノートの隅に絵を描いていた。
『ふふっ…』
隣から笑い声が聞こえてきて
驚いて隣を見てみれば目があった。
『ごめん、!可愛いなぁと思って』
「かわいい、??」
『その絵、可愛い』
「あっ…集中力切れちゃって」
『うん、だろうね』
『そりゃ疲れるよ、そんな計算問題ばっかやってたら』
「あはは……」
『…ちょっと気分転換に行かない?あそこ』
指先が向けられた方を見ると
全世代向けの仮説コーナーが
新しく設置されていた。
来た時には見なかったから
時間内で作られたもの。
「わぁ、可愛い本ばっか」
『だね、これとか可愛いよね』
「あ、ホントだ!絵のタッチがふんわりしてて可愛い」
『これも良くない?』
「わぁ…可愛いものばっかだ」
『あ、これ読んだことある』
「どれです?」
『これ、見たことない?』
「…あ!学校に置いてあります」
『うん、そうだね。だって今、中高生に人気だもん』
"そうだね"っていう言葉に
不思議に思いながらも
その場ではスルーした。
一冊の本を手に取った貴方は
カウンターへ行って
本を借りてきたようだ。
『じゃあそろそろお暇するね』
「はい…明日も来ますか、?」
『ごめん、明日は用事あって』
「そうですか、ではまた」
『またね』
私たちの関係は
本の趣味が合う知り合いなだけ。
隣に座るのは
私たちのいつもの場所だから。
前までは曜日別に来ていて
隣に誰かが座っているという
感覚は未だ慣れない。
いつもの場所の隣に座って
本を読み進めていく貴方の姿に
憧れて感動して_惚れました__。