桜散る頃に 短集
男→悠也(ゆうや)
女→咲海(さくみ)
ーーー大好きですーーー
僕の彼女咲海は病気だ
余命3ヶ月
毎日のように僕はお見舞いに来て
咲海の嘘話を聞くのが日課だ
咲海はお話を作るのがうまい
僕は咲海の作る嘘話のファンだ
今日もお話を聞いてみよ
「明日桜が散るそして私の命も散る
でも貴方は、普通に学校に行って、朝は
先輩達に弄られてちょっとイライラして
4時間目になってお腹がすいてずっと時計を見てしまうの
やっとお昼だと思ったら弁当を忘れてしまってちょっと落ち込む
仕方なく食堂に行くの大好きなカツ丼を食べて満足そうに
教室に帰るの午後の授業は眠たくてノートの字がぐしゃぐしゃ
チャイムの音で起きて大好きな部活サッカーをしに行くの
部活終に時間ギリギリで病院に行ったら医者や看護師が慌ただしく
してたのそしたら最期のブザーがなったの冷たくなった私の手を握り
何かが入ってるのを気づくの
内容は
あなたの事が大好きです
いつもありがとう
そお書いてあった
いい?これは嘘話信じちゃダメだよ?
今日はこれでおしまい
またね悠也
待ってるから」
そう言って彼女は眠りについた
ーーー翌日ーーー
僕は朝起きて時計を見たら
遅刻していて先生に叱られて
先輩達に弄られて少しイライラしてた
4時間目になってお腹がすいて
授業なんて聞いてなかった
なんか咲海の嘘話に似てるな
でもお昼は普通に弁当があって
大好きなカツが入ってて少し機嫌がよかった
午後の授業は眠たくて起きてるのに必死で
ノートの字が汚すぎた
大好きなサッカーをして
病院に行ったら
咲海の部屋から泣き声が聞こえた
誰かと思ったら
咲海の両親だった
咲海を見て衝撃を受けた
顔に白いハンカチが置かれてた
この意味は分かる
次第に俺の目から涙が出てきて前も見えない
ほどに号泣した
咲海の両親が気を使って
僕1人だけ部屋に残してくれた
僕は冷たくなった手を握った
握った手のかなには
紙が入ってた
僕はまた泣き始めてしまった
僕もだよ
ありがとう
手紙の内容
悠也へ
私を好きでいてくれてありがとう
ずっと私のそばに居てくれてありがとう
何度言っても足りない
あとねいつもはなかなか言えないけど
私悠也の事大好きだよ
これからもずっと
愛してるよ
咲海より