#江戸

月下。

この世の者ではないような雰囲気を

漂わせた男。

桜が舞い散る木の上に1人たたずむ。

ふと、口を開き。呟いた。

もし、そなたに…

もう一度会うことができるのならと

思い綴る日々にはもう飽きた。

君を見て私の心。

一目で奪われてしまった。

わたしの運命の歯車がようやく

回り始めたのだ

美しく儚いそなたの姿

もう忘れることが出来ぬ。

浮世離れした容姿や能力

この浮世も月世も

君には窮屈だろうに…と。

酷く、悲しそうに女は言う。

わたくしは行けませぬ。

お帰りください。……と。

男も言う。

ならば、ともに行こう。

今夜だけで良い

今宵だけ夢に溺れさせておくれ

それに応えるように桜が舞う。

月明かりがようようと照らす塀の上

2つの影が闇夜に消えていった。

砂浜で
ペリーを見かけた
よし撃とう