#涙

泣くことに慣れた僕は今日も
独り夜泣く＿。

貴方は僕の為に涙に蓋をして

大きな花を咲かせてくれるから

僕も涙を拭いて貴方に

笑顔で大きく手を振るからね

右目から出るのは嬉し涙
左目から出るのは悲し涙
両目から出る涙の意味は何ですか

瞳孔から雫が落ちる
空の香りに誘われて
その涙は隠すように
出した手中へ

映画館で逢えない貴方を想い出して涙溢れた

泣くつもりなど更々なかったのに

あの頃の私と登場人物の恋心が重なったの

ひとりで
泣いた

強くなれた

涙は証し

泣けなくなったのか

泣かなくなったのか


何方であっても涙からは

距離を置かれてしまったようね

私の本音を庇ってくれた仮面が

とうとう壊れてしまった

壊れた仮面から本当の表情が覗き込む


「久しぶり、本当の私」

仮面に覆われていない私の表情は

笑うことが出来ずに涙で溢れていた

君は笑えていると思ったけれど

君の瞳からは雫が零れ落ちそうだった

独りでは素直な涙も

人前では随分と謙虚ね

泣いてもいい場所が欲しかった

涙を流してもいい場所が欲しかった

もしも　涙が苦かったら
恋わずらいを治す　薬になったかな

もしも　涙が酸っぱかったら
恋を頑張れる　元気になったかな

もしも　涙が甘かったら
失恋を癒す　デザートになったかな

もはや　恋には付きものの　わたしの涙
苦くもなく　酸っぱくもなく　甘くもない

あったかくて　しょっぱいだけの
まるで　スープのような涙

きっと　この恋を
味わい　噛み締めるために　そうなった

あぁ　ホントに　いい恋だったと


『スープ』

「大丈夫だよ」

君の言葉が僕には

「泣いても大丈夫だよ」

そんな風に聞こえた

泣きたいのに

泣けなくなった君


言うことを聞かなくなった

そんな君の涙腺を

破壊してしまおうか

君と二人で涙を流す為に

私の涙は保存しておくね