#盲

硝子瓶に閉じ込めたビー玉

その美しさに
どれだけの子が惹かれたろう

飲みかけのソーダで
空の青さを透かして見ていた

向日葵の笑も
蝉の謳も
此の陽射しも

夏の静けさを引き立てるだけ
だった

いつか炭酸が抜けるように
君との想い出も淡く薄れてしまう

ポケットに入った儘のビー玉は
いつから入っていたのか

どうしてあんなにも
手に入れたかったのか

僕はもう思い出せない

たけど何時までも
此のビー玉だけは手放せないな

手放せない

世界が汚れて視えるのは
僕の目が穢れていたから

貴方が綺麗に視えるのも
きっとそのせい