#真の華

どうしたらいいのか

分からなくて

不安を拭えなくて

師に助けを求めた



名前を呼ばれただけで

溢れてくる涙

心を預けられることの

安心感に

止めどなく零れ落ちる



｢ここ数日

よく頑張りましたね

私はいつでも

あなたの側におります｣



縋るように

子どものように

声を上げて泣いた



心の中で

真の華は揺れ



師の言葉に

蕾が花開く



心地よく吹く風に

目を閉じれば

見えてくる大切なもの



強く、優しく在れ



それは決して

優越に浸ることではなく

人を哀れに見ることでもなく



人の心を思いやり

人の命を軽んじないことだ



光の玉が

心の奥底に

染み込んでいくように

深く、深く

魂に光を灯していく

私はあなたを守れませんでした



そんなことないです

あの頃も、今も

充分過ぎるほど

守ってもらっています

｢小さい事の積み重ねが

必ず実を結びます｣


師の教えを

ひとつずつ思い返す



｢大丈夫ですよ

あなたが

辛い思いをしないよう

私が居るのですよ｣


手の震えに

気付いたのだろうかと

思うほどのタイミングで

師は言葉を紡ぐ



｢私は同じ過ちは二度としません

あなたを守ってみせます｣


その言葉通り

最悪の事態を回避した



思い出すと

震える手

覚えているのは

遠い昔の記憶


泣いたあの日の

つらい記憶



師はそれ以上に

鮮明に覚えているのだろう


｢すみません｣と言った私に


｢師に謝るのは

教えを守れなかった時だけですよ｣


そう言って

優しくあなたは笑った

自信をなくすということは


自分に足りないものが


そこに在るからです





自信をなくし


その事柄に背を向けるのか


向き合い、足りないものを見つけ出し


自分の力にするのか


それはあなた次第です





自信を無くしかけていた私に


師はそう諭した





時には辛酸をなめることも


必要なのだと





〝あなたなら出来ますよ〟


その言葉が


心の中に広がっていく





種から、芽を出し


やがて蕾から大輪の花へ





大きく花開かせるのも


枯らしてしまうのも


自分次第なのだ





自分に足りないものを


見つけ、学び、活かし


いつかきっと


誇らしく花開く真の華を


咲かせたい

悦びの果て笑顔に咲くは

朱の華



悲しみの果て強く咲くは

真の華



手を取り優しく咲くは

心の華

いつも

愛を思う



大好きな人

大切な人

無くしなくない人


辛い時こそ

思う



愛を思う


愛しい人の

かけがえなき心を思う


支えたいと願う


だからこそ


生きなければならないと

心が叫ぶ


ずっと遠くかもしれない

今はまだ見えないかもしれない


でも信じられる

あなたたちはきっと

両手を広げて私を待っていてくれる


だから生きたいと夜空を見上げた

真の華、心に携え

真っ直ぐに育むは生きる力

一心に未来を信じる真の華


諦めない心を備えた真の華


ただ真っ直ぐに先を見据える真の華





この心に真の華目覚めたならば


その力、甦るだろうか





月の光を浴びて


風を起こせ真の華


遠い空の彼方へ届くまで

分かたれたふたつの絆を
いつかまたひとつに束ねて
手を取り合って笑いたい


私たちの絆は
誰にも引き裂けない

どんなに辛くても

どんなに苦しくても

あなたは決して

逃げませんでした

辛さや苦しみと

向き合ってきたのです

今も昔も

あなたは

それが出来る人です



師が言ってくれた言葉に

泣きそうだった

心の内側がほぐれていくことが

心地よくて

師にめぐり逢えたことが

嬉しくて

夢を見た


遠い昔の夢




あなたを失いたくなくて


あなたのそばに居たくて


毎日、幾度も


あなたの元を訪ねては


泣いている夢




めぐり逢えた今が嬉しくて


めぐり逢えた今が幸せで


それでも時々


途方もなく不安に感じるのは


あの頃の悲しみを


今でもこの心が


覚えているからなのでしょう




あなたから学ぶことが


たくさんあるのです


あなたは私にとって


たった一人の師なのです




夢から醒めて


零れた涙は


真の華を蘇らせる

真の華


天空を舞う





虹色の海に


映し出すは


恋しさ





涙落としても


消えぬは心





それでいい


ただ


それだけで


良かった





師よ


私の言葉は


なんのために


ありますか





真の華は


この心に


在りますか

真の華


散りゆくは


諦めた時




真の華


咲き誇るは


前を見据えたその時




花開け、真の華


そのひとひらに


生命の光を


心潤う癒しの力を




花開け、真の華


そのひとひらに


深く、強く


想いを携えて

青龍、白虎、朱雀、玄武

空鎮、烏寿、北兎、餐熊、玉如


守護よ

真の華に力を


龍の持つ如意宝珠の如く

願いを叶える力を

この手に

｢咎められたり

力に屈したりするようなことが

あったとしても

その先に必ず光が

見えることでしょう

それはあなたが素直で

悩みながらも正しいことを

選択し続けようとしてきた

努力の賜物です



胸を張って生きなさい

悔しさに怒りを溜めず

悲しみを恨みに思わず

素直で真っ直ぐに

生きなさい



今まで苦しかったですね

よく頑張って生きました

これからはもっと

なだらかな道ですよ

私も皆さんも

皆が側についていますよ｣



涙は抑えきれず

苦しいほど泣いた師の言葉



あなたに逢いたいです

いつも

ありがとうございます



私はあなたの言葉が

大好きです



誰かの心に

寄り添うことの意味を

教えてくれた

そこから何が生まれるかを

教えてくれた



生きていく術を

教えてくれた



今も、あの頃も

いつの日も