Kenji🦋✨・2020-08-10
銀河鉄道
真実の愛
君が君で有る為に
僕は僕でなくてはならない。
君のままの君に愛されたいから
僕のままの僕で愛したい。
数え切れない程の仮面を砕いて
真実の愛へと
銀河鉄道に乗って...
Kenji 🦋✨
もうすぐ 星たちが 帰る 時刻
変わり始めた 空の色を
そっと ひとりで 眺めてた
そんな時は ふいに 光って すぐ消えた
あの日の 夜空が 目に浮かぶ
人は 死んだら 星になるの...
母が 教えてくれた 幼い 記憶...
悲しくなるから 嫌だ と泣いた
小さな 私を 思い出す
今の 私なら こう言うの
あれは 銀河鉄道...
いつかは 乗れる 憧れの列車
会いたい星に 行けるかな
きっと いつも 見守っているよ
楽しみに 待って いようね って...
電光掲示板に君を乗せた電車
やがて二人の朝光が並ぶようになる
答えが見付からなかった
『本当の幸せ』の意味...
その真実が星となり
私の思いを乗せた銀河鉄道で
星空巡りの旅がしたい...。
Kenji 🦋✨
蠍座の火が消えたら
必ず迎えに行くから
泣かないで待ってて
やくそく
遠いいつか
南十字星で
お前に会えたら
言い返してやりたい
お前は不遜なやくそくを残したが
お前の姿が消えたのは
蝎火そのものになったからだろう
自己犠牲の薪をくべ
お前が蠍の火を燃やし続けていたんだろう
だからこうして
私は南十字星でまっていた
終わりで待つよりなかったのだ
忘れてしまったと思ったかい
バカだなぁ
今度こそふたり一緒に
生まれなおそうよ
*
祈りを変えてゆく運命線を走る銀河鉄道
少しのお金と色褪せた写真と共に寝台列車へ乗り込んだ。
イヤホンから流れるラジオを聞きながら車窓からの景色を眺める。
「今夜から明朝にかけて流星群が見えるでしょう」
ノイズ音と共にそんな報せが耳に入る。
窓の縁に肘を措いて空を眺める。
イヤホンを外すとラジオから流れる声が遠ざかった。
ガタンゴトン、ガタガタ、ゴトン、ガタンゴトン。
列車の進行するとそれに比例して微かに金属の軋む音がする。
ガタンゴトン、ガタガタ、ゴトン、ガタンゴトン。
目蓋を閉じると音の世界になる。
金属の軋む音、風の吹く音、草が揺れて擦れる音、心臓の音、呼吸の音。
音、おと、音。
音の世界は僕の神経を敏感にさせる。
息を吸った、吐いた。
また吸った。吐いた。
それの繰り返し。
単調なようで、意識すると少しだけ苦しくなる。
吸って、吐く。
一瞬、呼吸の仕方を忘れるのだ。
深呼吸をすると酸素が僕の体に一気に入り込む。
酸素は躰を欲していた。
躰も酸素を求めていた。
僕は生きている。
酸素の代わりに二酸化炭素を吐き出す。
僕の躰のメカニズムはよくわからないけれど、躰のなかでシステムは否応なしに活動していて、僕を生かしているのだ。
ガタンゴトン、ガタガタ、ゴトン、ガタンゴトン。
「貴方の行く先が、幸運で溢れていますように」
僕らはそれぞれの切符を買ってきたのだろう
今までの物語を鞄に詰めてきたのだろう
荷物の置き場所を必死で守ってきたのだろう
これからの物語を夢に見てきたのだろう