#魔女

君と出会って

今までとても楽しかったし

これからも色んな場所で

ねるねるねるねを練りたい。
・・・
なので、結婚してください。


―
　僕が原稿を読み上げると
　そこに居たのは彼女ではなく
　あの魔女だった…。

自分だけは練られないと思っている人間…

自分の色は変わらないと思っている人間…

そういう人間こそが

あの魔女の

格好のターゲット（餌食）

なのだ。

たまには、他のお菓子も食べたら？

ねるねるねるねを練っている彼女に声をかけた。

彼女
　　―あの魔女
は、

ちょっと寂しそうに

ニヤリと笑って

うなずいた。

ねるねるねるねには、国境もなければ、言葉の壁もない。

そこにいるのは、人間と…

あの魔女だけだ。

あの魔女が

やってくるのだ。

練り方を忘れた頃に。

色を忘れた頃に。

練っているつもりで

逆に練られていた。

私のエネルギーは

色に利用されていた。

つまり

あの魔女の思う壺だったのだ。

この異常な
夏の暑さが
甲子園のルールさえ
変えたとしても…
ねるねるねるねの
あなたとあの魔女の
約束…
その約束は
変わらない。

国破れて

山河あり。

あの魔女が滅びても

色の法則は

変わらない。

積乱雲を見ると
ねるねるねるねを思い出す。
あの魔女がいた
30年前の夏…

ねるねるねるねの色が変わらないまま
時間だけが過ぎていく。
あの魔女はいま、どこにいるだろう。
何を信じて練ればいいのか
僕にはもう分からない。

娘さんを、僕に下さい

僕がお決まりの台詞を言うと

あの魔女はねるねるねるねを

手にとって

ニヤリと笑って

うなずいた。

手を引いて海沿いを駆けていく…

しかし、彼女の正体は

ねるねるねるねのあの魔女なのだ。

それに気づく頃、

彼の色は変えられてしまっているだろう。

ねるねるねるねを色を変えるのは

僕じゃない。

ましてや

あの魔女でもない。

ねるねるねるねの、

色を変えるのは…

すべてのねるねるねるねの

色の変化が

魔法で説明できるなら

あの魔女の存在価値は

ないのだ。

その昔

この街は平和だった。

ねるねるねるねにも

色はなかった。

あの魔女が来てから

ねるねるねるねに色がついた。

そして

歯車が狂いだした。